ブタブタ

Wの悲劇のブタブタのレビュー・感想・評価

Wの悲劇(1984年製作の映画)
3.5
蜷川幸雄舞台監督が静香(薬師丸ひろ子)のカーテンコールの所で舞台袖で何故か泣いててスゴい拍手してるのが可愛い(笑)
それと静香の記者会見で横にいて堂々とタバコ吸ってて「誰と寝ようが芝居出来りゃそれでいいんだ!」っていいのかそんな事言って!?

言わずと知れたKADOKAWA全盛期のメディアミックス戦略とその映画を超えた時代の申し子とも言える薬師丸ひろ子のアイドル女優としての全盛期の作品。
自分は世代的にほんの少し遅くて薬師丸ひろ子(及び原田知世)の狂熱的な騒ぎは体験してない。
しかしこの頃の薬師丸ひろ子さんて毎年主演映画やってて主題歌も歌って大ヒットしてってもはやこんな人は日本の芸能界に二度と現れないでしょう。

『Wの悲劇』ですが二組の二人の女優、薬師丸ひろ子(の役)✖️三田佳子(の役)と薬師丸ひろ子(の役)✖️高木美保(の役)の芝居の役及び「どっちが真の主役」なのか?という事を巡っての、現実(この映画)と劇中内(Wの悲劇の舞台)でのメタ的な争いを描いてて最後に勝利したのはやっぱり薬師丸ひろ子演じる静香だったんじゃないかなと。
この作品はのちの漫画『累』にも影響与えてると思う。
『あまちゃん』に登場した薬師丸ひろ子演じる「大女優・鈴鹿ひろ美」は静香のその後みたいな気がする。
アキ(能年玲奈)は『Wの悲劇』という円環から逃れた、女優になる事を選ばなかったもう一人の静香だったのかも。
高木美保さんは本作で注目されて昼ドラで大ブレイク、主にTVで活躍する女優となる(今やすっかり農業タレントみたいですが)
それと「薬師丸ひろ子や原田知世の横にいるだけの男」(北野武・談)役は本作では世良公則なんですよね。
若い見てくれが良いだけの俳優でなく世良公則ってキャスティングは絶妙なバランスだと思う。
静香に無償の愛を捧げる男って見方も出来るけど初対面の女性に自分の個人情報をベラベラ喋るところとか普通に怖い。
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