tomひで

Wの悲劇のtomひでのレビュー・感想・評価

Wの悲劇(1984年製作の映画)
3.0
NHKBS4Kで『Wの悲劇4K修復版』が放送されたので、4Kで久しぶりに観直してみた。

この映画は薬師丸ひろ子主演だが、三田佳子が圧倒的存在感でこの映画を支えている。主演の薬師丸ひろ子を食っている感さえある。三田佳子が出てきてから急にこの映画のリアル感が増して面白くなる。

ホテル室内で愛人の身代わりを依頼するシーンの三田佳子の演技、凄かった。途中セリフが詰まっているがそのまま使われている。撮り直した上でこのテイクなのか、撮り直さなかったのか、撮り直せなかったのか、事実は分からないが、監督が「もう一度撮ります」と言いづらい迫真の演技。

劇中劇の役柄とこの映画での役柄がそれぞれ身代わりになるという二重構造、プロンプターとして舞台袖で教えるセリフが絶妙に現実とリンクする感じとかなかなか面白い。

更に俯瞰すると、当時の若手女優の薬師丸ひろ子と大女優の三田佳子という撮影現場の現実構造も含めてダブルどころかトリプルの構造を意識すると更に面白く感じられる。

涙の記者会見はこちらも泣きそうになるが、それも想定内の演技…女優って凄い(笑)

「カーテンコールも芝居のうちよ」
tomひで

tomひで