せんぷうき

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリーのせんぷうきのレビュー・感想・評価

3.4
Episode Ⅶ は映画館で観た時はまぁまぁだったが、WOWOW放映で観た時は相当ガッカリした....こんなにつまらなかったっけ?なので、多少は楽しみにしていたこのローグ・ワンも観る気がかなり失せていた。ただ、そろそろ上映終了になりそうという事もあり、重い腰を上げ、久々のレイトショーで観てきた。

冒頭は "a long time ago in a galaxy far far away..." で始まり、オッ!と思うがメイン・テーマは流れず。宇宙のシーンから入るところはお作法通り。スター・ウォーズでは様々な星が登場するが、色んな星のシーンが頻繁に切り替わり所々ついていけなくなる。JEDHA(ジェダ)という、ジェダイみたいな名前の星も登場、ネーミングセンスには少々難あり。

監督はハリウッド版ゴジラのギャレス・エドワーズ、『モンスターズ/地球外生命体』ではかなりのセンスを感じさせたが、ゴジラは若干不発気味で、今ひとつ実力のほどがわからない監督。ローグ・ワンはそれでも健闘した方かと思える内容ではあった。Episode Ⅳ と同時代の設定という事もあり、往年のスター・ウォーズに登場するキャラクターやメカ群をかなり踏襲している。X-ウィングファイター、スター・デストロイヤー、AT-AT(この映画に登場するのはAT-ACTという名前だそう)....懐古主義に過ぎてるという意見もあるようだが、物語が同じ時代なんだから同じものがでてこないとね。

星が新登場するたびにいちいち星の名前のテロップが出るところや、最初が主人公の子供時代というのは少々お作法から外れてて違和感あり。画面には文字が出てこないし、必ずある時代の数日を切り取るのがこれまでの作品の共通項だから。

スター・ウォーズは新作が出るたびに初期のEpisode Ⅳ/Ⅴ/Ⅵと比較される運命にあるが、超えることは絶対にできないと思ってる。生みの親であるG・ルーカスでさえ、Episode Ⅰ/Ⅱ/Ⅲは超えるどころかモヤモヤスッキリしない出来映えになっている(部分的には好きなところもあるけど)。そもそもすべてが後付けだし、様々なクリエイターがユニバースを拡張してしまった結果、恐らくは当初の設定から相当はみ出してしまってるのではないかと思う。

映画の内容にあまり言及しなかったが、映像は迫力があったものの実はそれほど印象的な場面があまりなく、全体を通してここが好きというところがないので多くを語れない。途中でC-3POとR2-D2がちょこっと登場したり、後半でダースベイダーが出てきたりしたが、これも無理やり登場させた感じがして.....ただ、映画の最後、Episode Ⅳに繋がる部分、レイアが出てきた場面は先ごろ亡くなったキャリー・フィッシャーの事が思い出されて切ないものがあった。
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