オトマイム

ぼくらの家路のオトマイムのレビュー・感想・評価

ぼくらの家路(2014年製作の映画)
3.8
施設を飛び出した10歳の少年が、6歳の弟を連れて母親に会うために奔走する3日間。
寝る場所もお金も頼る人もいない、あまりにも過酷な旅に胸が押し潰されそうになった。

「ママに会いたい」それだけの思いで歩き続けた彼ら。早くママに会わせてあげて…と祈るような気持ちで画面を見つめていた。

この母親は保護者不適切とされても仕方がない、子供を放ったらかして男の家に泊まりに行ったりしているのだから。けれどもこの兄弟にとっては唯一無二のもの。
それがすごく切なかった。

まだ無邪気な弟を、少し大人になった目で見つめる兄。彼の細やかな心情が丁寧に描かれる。大げさな演出は全くない良作。