イワシ

センチュリアンのイワシのレビュー・感想・評価

センチュリアン(1972年製作の映画)
5.0
家族が壊れてもなお、他人同士がかろうじて連帯し、生きていける場所、アメリカ。そう感じるのは、フィルムに映る警官、チンピラ、犯罪者、娼婦といった誰もがアメリカの希望のなさを共有しているからだろうか。娼婦達が車から降ろされ、夜のなかをヨタヨタと歩いていくシーンが素晴らしい。けばけばしくて安っぽいのに、なぜか美しいと感じる光景。安住できる「家」を持たない、「街」に生きるしかない者達のつかの間の連帯に泣く。エド・ローターがショットガンを構え、画面に登場した瞬間になんだかうれしくなる。
イワシ

イワシ