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戦慄怪奇ファイル コワすぎ!最終章のkitoのレビュー・感想・評価

3.5
とんでも展開に唖然となったけれど楽しめた。

オリジナルビデオのFILE1ー4がそれなりにまとまっていたので、期待して続く「劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い」「史上最恐の劇場版」「コワすぎ!最終章」の三作品を一気見した。
劇場版といっても三作品合計でぴったり240分、長いと感じるかどうかは、あなた次第!

「序章」はお岩さんがテーマ。見せ場は完全に「エクソシスト」のソレで、早々になんだコレ⁈とつぶやく。新たに浄霊師が登場し、短気でパワハラがウリ⁈の工藤ディレクターとの怒鳴り合いが次作まで続く。劇中に出てくる四谷於岩稲荷田宮神社は、東京に異動になった当初、何を思ったかネットがまだない時代ガイド本片手にお参りに行った懐かしい場所のひとつだったりする。

「史上最恐」は足を踏み入れると必ず発狂、失踪、死、いずれかが待つというタタリ村に踏み込む。一行には前作の浄霊師に加え新たに超常現象を否定する科学者、鳴かず飛ばずで崖っぷちのアイドルまで加わり、さすが劇場版といった感じのスケールアップ。もっとも、彼らには登場早々”フラグ”が立つのが見えるけれど。

三作品でもっともぶっ飛んでいるのが「最終章」で、「序章」「史上最恐」とは話が繋がりまくるし、FILE1ー4ともあれこれ絡まり、壮大な伏線回収、大円団を迎える。

何よりまさか「オカルト」の彼が登場してくるなんて!異なる別作品がクロスオーバーするのは好きだけど「オカルト」を観ていないと「誰なん???」となるだろう。私もしばらく思い出せずにいたら「なあ、白石くん」と話しかけたところで思い出し「おー!」となり、プチ・カタルシスを味わった。

白石監督の頭の中では最初からこういう世界観が出来上がっていたのだろうか。ともかく白石作品の入門作にして最高傑作なのはやはり「オカルト」なんだなぁ

全編ツッコミどころが満載で何度も苦笑、爆笑してしまった。ホラー的にはまるで「コワすぎ!」ず、危なくツッコミ疲れしそうになった。でも最後にはなるほどこんな”白石ワールド”を生み出した監督のトンデモぶりこそがいちばん「コワすぎ!」なんだな、と妙に納得してしまった。

大きな区切りのついたシリーズ、残すは「超コワすぎ!」二作品となり、もうさっさと観ちゃえば、な気分。
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