kito

ザ・ファブル 殺さない殺し屋のkitoのレビュー・感想・評価

3.6
思った以上に面白かった。

前作には"豪華なVシネ感"しか覚えなかったので、本作にも大きな期待はなかったが、それを差し引いても楽しめた。

ただ、私は前作も観たし、アニメ版と原作漫画にも少々接していたので世界観に馴染んでいるとは言える。原作は漫画アプリがどんなものかと試しに使ってみただけで、全話無料なのに途中で読むのをやめたくらいだから熱烈なファンというわけでは全然ない。

主演の岡田准一は原作のビジュアルとは合ってないと思う。彼は洗練されすぎで、カッコ良すぎ。でも、アクションシーンが見どころなので、やっぱり彼でないと務まらないキャラだ。本作では堤真一が悪役を演じており、なかなかのサイコっぷりが良かった。ドラマ「SP」の再現だ。パンクブーブー黒瀬純のうざいキャラも上手い。

偽妹の木村文乃や職場の同僚の山本美月はもう慣れてしまった。偽兄妹のやりとりは漫才みたいで笑える。前作より出番が少なくなった山本美月だけど変わらぬお嬢様キャラでスキ。

本作は平手友梨奈が話題になったのを覚えている。彼女は欅坂46時代から知っている。冠バラエティ番組で、当初は14、15歳の少女らしく屈託なく笑っていたのに、次第に闇落ちして仏頂面に変わっていく姿を見た。なんやかんやで彼女が突然グループを脱退して、欅坂46は櫻坂46に改名、憑き物が落ちたかのようにすっかり明るいグループになったーーって、何の話だ⁈

彼女は一部ファンからはカリスマ人気があるけれど、本作ではそんなに凄い才能には思えなかった。違和感のある演技ではないけれど、普通に思えた。まあ、欅坂46時代、可愛くないヤツだなあと思っていたので、多少は外の荒波に揉まれたのかなあ、という印象ーーって、いったい何様目線⁉︎

本作は映像が凝っていたと思う。スローモーションやグルっと旋回するアングルなど、何だかイイ感じだった。少しジャンプスケアまでサービス⁈されており、まんまと驚いてしまった。脚本家は変わったが監督は続投しており、前作を越えようと工夫してるんだなあと思う。

未発表だけど、劇中ではお決まりの続編匂わせな終わり方だった。もしシリーズが続くのなら本作以上のものを期待したい。
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