小説家を目指す青年(Aイェルチン)と彼より年上の自由で美しい人妻(Bマーロウ)が惹かれあう。現実から離れることができる飾り気のない情緒的な作品です。葛藤の場面もありますが、だってしょうがないじゃない好きなんだからを嫌味なく爽やかに描いていて好感持ちました。
公園のベンチに刻まれる文字、数々の名言が作品の所々に出てくるのも趣があり、雨のなか傘をさす二人、美術館の二人、並木を歩く二人、5時から7時の二人、ガラス張りの陳列棚からの画、それぞれに雰囲気があります。
始まりがあり終わりがくる、出会いがやがて思い出になる、それを揺り戻しそうな6000ドルの指輪。変わること、抱き続けることの意味。倫理道徳が頭のなかでチラつくと、この作品は楽しめないかもしれません。
(メモ)
素敵なヨットの絵に死と強迫を感じる、美しい景色に生命を感じない、生きていることの証明とは何。
Aイェルチン、2016年(27才)逝去
Bマーロウ、007スカイフォール
Oサールビー、ジュノ