あきしげ

セルフレス/覚醒した記憶のあきしげのレビュー・感想・評価

セルフレス/覚醒した記憶(2015年製作の映画)
2.5
ターセム・シン監督の普通すぎる作品。

良かった点。

・役者は揃っている
・及第点という構成
・マシュー・グッド

悪かった点。

・SFとしては微妙
・アクションは普通
・既視感がたっぷり

ターセム・シン監督は映像が第一。
魅力的で凝った映像が彼の代名詞。
それが本作でほぼないという現実。
作家性よりも商業性を選んだ結果。
あまりにも普通すぎる作品になる。

とにかく、キャラクター造形が雑な設定。
主人公の老いたダミアンは有名な建築家。
ベン・キングズレーの上手さは当然です。
ただ、建築家というより実業家に見える。
この時点で建築家という設定が破綻する。

記憶を転送して若い肉体を得た主人公。
中身は68歳の死にそうになった老人。
どう見てもライアン・レイノルズです。
シリアス演技のライアン・レイノルズ。
当然、建築家の設定は忘却の彼方へと。
老練な行動は一切ない年相応の行動力。

キャラとして立つオルブライト。
マシュー・グッドはいい雰囲気。
それなのに短すぎる登場シーン。
もっと活かすべきキャラクター。
手に負えなかったとしか思えん。
最後まで余裕な態度は良かった。

本作はすべてにおいて中途半端でした。
SF、アクション、サスペンスと全部。
記憶を転送するSF要素が安易すぎる。
アクションは既視感たっぷりすぎます。
物語の中軸となったサスペンスが稚拙。
どれを取っても面白さに繋がりません。

ターセム・シン監督は安定志向に走って失敗。
ライアン・レイノルズのシリアス演技の映画。
本業のデッドプールの息抜きにしか感じない。
あきしげ

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