SOUTHPAW ギャング系×ボクシング映画。
宣伝を変えた方がいい。
日本の宣伝では感動作と掲げているがプロットはジェイクが怒りのコントロールが出来ない為にドン底に堕ちて這い上がる典型的なアメリカ映画であり決して感動作ではない。
監督含め脇役の大半がアフリカ系俳優の為ギャング映画の雰囲気を醸し出し、演出セリフ共にギャングスタラップを象徴させる映画でもある。
やはり見所は元ボクサーであるアントワンフークア監督とのトレーニングで作り上げられたジェイクの完璧な肉体美である。
前作のナイトクローラーから見事な変化を見せた今作のジェイクにとにかく脱帽したからである。
良くあるストーリーだがジェイクが本気でこの映画に身を注ぐ事により力強いファイトシーンが生まれている。
そして、肉体から漲る怒りがどのシーンでも観客に伝わってくる。
妻を殺され怒り、病み、苦しみ、情緒不安定に陥り復讐に身を投じようとする様は観るものを狂気と切羽詰まった状況に引きづり込むはずだ。
レイチェルマクアダムスが出番の少ない役だがレイチェルが撃たれるシーンは緊迫感があり死に対する恐怖が伝わってくる演技をしていた。とても、見応えのあるシーンでレイチェルの死後のジェイクの行動に目が離せなくなる。
脇役のフォレストウィテカーはジェイクを変える為に名言を残すシーンがある。その言葉に日本人は泣いたのであろう。
娘役のオオーナローレンスが登場シーンが少ないがあるシーンで子役ながらジェイクに説得力のある演技を好演している。そのシーンが自分にとってかなり印象的だった。彼女もこれからが楽しみな女優だ。
F×××の回数が多い今作。
なぜか日本ではR指定を受けない規制の緩さがとにかく凄い。
これから観る人は鑑賞前に今作の楽曲提供をしてるEMINEMの代表作8 Mileを鑑賞しておくと今作が8 Mileの正統な続編なのでは?と思うはずだ。
もちろん鑑賞済みの人も同様に8 Mileを見てみると自己判断に任せるが8 Mileの続編を匂わす展開になっている。
今作の脚本兼クリエイターのカートサッターはアメリカの超人気バイクギャングドラマSons of Anarchyのクリエイターを務めている。今作が薄っぺらいと思う人は是非カートがクリエイターを務めているSOAを観てほしい。映画を超えた内容に絶句するはずだ。
海外ドラマ好きやバイオレンス好きは絶対にハマるはずだ。
日本では絶対放映出来ないR指定が確実なドラマであり今作で満足出来ない人は絶対観た方がいい。
なぜ今作がギャングな雰囲気を醸し出したボクシング映画なのかわかるはずだ。