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レディ・プレイヤー1のRottenMovieのレビュー・感想・評価

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)
5.0
READY PLAYER ONE 社会システムが崩壊し格差社会に陥った世界で人々が悲惨な現実から逃れる為「オアシス」と呼ばれるVR空間に没頭し続ける中、オアシスの創始者ジェームズハリデーが自分の遺産を優勝者に授与するゲームを開始し、全世界のプレイヤーが希望信じて大争奪戦を繰り広げるSFアクション。今作は映画ファン、ゲームファン、アニメーションファン、そして、80sをこよなく愛する人々に贈られた巨匠スティーブンスピルバーグの最高のギフトだ。

観客がその時代で愛したキャラクターや小道具が1つの映画に大集合する今作は硬派な社会派からエンターテイメントまで時代を席巻する作品を世に送り出してきたスピルバーグの手によって生み出された夢の作品だ。

今作は時代を先取りした最新テクノロジーを駆使し現代社会でも多く見るようになったVR空間をより複雑により細かく現実離れした夢の世界を映像化したのである。

そこでは自分がなりたいものになれる。昔愛したキャラクターに80sを席巻した映画、その時代を生きたポップカルチャーまでまさに人間の欲望を満たすことの出来る場所なのだ。

目まぐるしいスピードで次々と現れるキャラクターに気を取られつつ、ネクストブレイクが期待出来るフレッシュな若手俳優が随所に数秒登場するサプライズ付きだ。まるで観客はキャラクターや俳優を探すウォーリーになった気分で楽しむことが出来る。

そして、物語の主体となる社会システムが乱れ荒廃化した世界で唯一の光を点し生きる希望を見出す手段がこのVR空間オアシスなのである。近い将来よりバーチャルリアリテイの世界と共存する可能性のある現代人にとって今作はその可能性と現実世界にしか味わえない大切なことを教えてくれる。そう言った部分がスティーブンスピルバーグの優しさでありいつの日も変わらない楽しい作品を作り出す天才の考えなのである。

また、今作でエンターテイメントの無限の可能性を再認識した。今後益々テクノロジーの進化が続く現代で映像技術の高さを華々しく飾り映像表現の限界を極めた今作は観客を極限の映像体験に誘うまさにエンターテイメントと言う言葉が相応しい作品なのである。今作は世界中の人々に希望を与え今後も革新的な映像技術を駆使した映画を作り続ける巨匠スティーブンスピルバーグの思いを感じた作品でもある。さて彼は次回どんな映画を作るのか?さらなる期待を膨らませて今作を是非多くの観客に楽しんでもらいたい。