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64 ロクヨン 後編のbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

64 ロクヨン 後編(2016年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

なんだか色々と惜しい作品だった。

脇役に至るまで個性的な役者陣を揃えており、登場人物が多いにも関わらず観ていてこんがらがることはない。ただ逆に言えば役者の個性のみに頼り過ぎで、各キャラクターの描き込みが浅い。特に重要な役柄であると思われる瑛太と吉岡秀隆については、もう少し丁寧にフォローする必要があったと思う。瑛太は存在感抜群だっただけに、結局存在意義が良く分からなくて悪目立ちするだけになってしまっていた。脚本が悪い。

描写のリアリティの無さと、感情任せの大仰な感動演出も気になる。主人公の娘の件も中途半端。何で娘があんなに荒れていたのか、整形などと言い出しているのかがかなり謎だったのだが、原作では父親に似て醜い自分の顔がコンプレックスだったらしい。設定を変えるなら変えるでちゃんと新しく作らないと意味不明なことになる。しかも原作では最後あんな行動をとったり辞めたりせずに、最終的に刑事ではなく広報官として残ることを決意するらしく、その方がよっぽど物語に説得力が出そうなのに何故変えたのか疑問。

前編でメインとして描かれた記者クラブとのやりとりは非常に緊迫感があり、面白かった。ただ前編の終わりで最終的に"良い話"風にまとまったのもなんか残念だったし、後編ではさすがにこのやりとりにも飽きてきて記者たちの煩さに辟易するだけだった。しかも結局この記者たちとの信頼関係的な問題がメインの事件とほとんど関係ないのも残念。
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