つげぼーい

しんぼるのつげぼーいのネタバレレビュー・内容・結末

しんぼる(2009年製作の映画)
1.8

このレビューはネタバレを含みます

物語前半の白い空間パートでは、いわゆる松本人志的な笑いが随所に見られたので、松ちゃんファンとしては楽しめる部分も少なくなかった。ただ、この映画の見どころはそこだけともいえる。

松本の脱出劇と並行して映されるメキシコのストーリーは、神の領域に達した松本が世界に与える最初の影響として回収されるのだけれど、視聴者を裏切るような展開や仕組みはとりわけ見られず、あれだけ時間をかけて描く必要があったのかと思ってしまう。

犬に囲まれて突然吠える男の描写は、「放送室」か何かで松本が話していた、世界には自分が何かをした際にそれに対応した行動をとる人や生き物がいるかもしれない、という発送からきているのだろう。それ自体はいかにもナンセンスな松本人志的笑いといえる。ただ、日本のテレビ的笑いの「神様」である松本人志なのに、それを面白く昇華できていないのが悲しい。

無知で無学であるにも関わらず、宗教的、政治的メタファーを扱おうとした結果、肝心の笑いまでもが中途半端になってしまっているように感じた。
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