ペイン

ウイークエンドのペインのレビュー・感想・評価

ウイークエンド(1967年製作の映画)
4.7
こんな週末(終末)は絶対にヤダ!のオンパレードなダーク・コメディ。

雑誌『プレミア』が選んだ“もっとも危険な25本の映画”の1本に選ばれたのも納得の全編エロスとバイオレス、そして痛烈な文明批判がぶち撒かれたゴダール作品でも特にどす黒いパワーに満ちた怪作。(※カニバリズムもちらっと)


映画における“ヒップホップ的脱構築”の先駆者であるゴダール。その歪でキレキレな暴力的編集と言葉の応酬がしっかり作品の完成度にも結び付いているという意味ではゴダール前衛期(※ジガ・ヴェルトフ集団期)の中でも屈指の1本と言えます。


そして終盤には1967年にしてドラムの音に合わせた“ラップ”まで!


メイキングでは『仕立て屋の恋』等のパトリス・ルコント監督がコメントを寄せていたが、彼いわくゴダールの映画は何も情報を入れず目をつぶって音だけ聞いて観ても彼の映画だとすぐわかるとのこと。たしかにそれくらいゴダール映画の音の使い方、編集は唯一無二。 
ペイン

ペイン