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父を探してのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

父を探して(2013年製作の映画)
4.3
【猛毒アニメここにある】
『ぼくの名前はズッキーニ』というエクストリームハードなアニメが公開されるが、Netflixにもエクストリームハードなアニメがアップされていた。その名は『父を探して』。アカデミー賞にもノミネートされたブラジル産アニメだ。

可愛くNHKタッチのアニメに油断しがちだが、これがエゲツない。舞台は農村の一家。父は出稼ぎで村を去る。いつまでたっても帰ってこない父に痺れを切らし、少年は都会へ向かう。その珍道中をセリフなしで描く。

ここから壮絶なブラジル社会情勢批判が始まる。巨大農園では無数の人々が、圧の強いボスの元働く。病気だったり、虚弱だと即クビになる。

また少年はある青年の家に上がり込むが、青年は疲れきっておりボーっとテレビを見続ける。少年の質問には答えない。明るく華やかな夢を語るテレビに吸い込まれていくのだ。これって日本におけるスマホ中毒、SNS中毒だよね?と思うと鳥肌が立つ。貧しさと忙しさが合わさると、人から行動力を奪う。日本も他人事ではないと感じた。

そして、不気味な大量生産の仕組みを表す場面等サイケデリックなシーンが畳み掛けてきて1時間の映画にも関わらずどっと疲れた。

これはオススメだ!
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