セガール幹事長代理

最後の1本 ペニス博物館の珍コレクションのセガール幹事長代理のレビュー・感想・評価

3.5
動物だけじゃ飽き足らず、やっぱ人間のも欲しいという熱い思いを抱いたペニス博物館の館長の元に「ワシのを展示してくれ」と二人の変態紳士が連絡を寄越す、というドキュメンタリー作品。
完全におふざけかと思いきや、まあ我々一般人からしたらふざけてるんだけど、そのおふざけに本気で取り組むおっさん達の物語。

息子を寄付したいおっさんの一人が「アメリカ人である自分の巨根を世界一有名にしたい」みたいなこと言ってるんだけど、館長は「アイスランド人である自分と同じ国籍の男性のペニスを第一号として展示したい」との主張を繰り返し、謎のお国柄論争が勃発。どこから突っ込んで良いのかわからない。
あと剥製化する手段にプラステックなんとか法とフリーズなんとか法みたいなコージーコーナーで聞いたことがあるカタカナ用語が登場して、今後綺麗な気持ちでケーキを口にすることができなくなった。

アイスランドの言い伝えでは12.7センチないと妻からの離婚申立が裁判所で認可されるらしく、このくだりで自分の自分に定規を当てた男性諸君は多いだろうと推測する。満たなかった方は連絡下さい。飲みましょう。

全体的に面白かったし、後学の為に人に見せるのをためらう部位を提供しようとする博愛的精神に感動した部分もあったんだけど、博物館側も提供者側も「サイズが命」みたいな心理を全面的に押し出した部分は残念だった。もともと特別なオンリーワンとスマップだって言ってるし、多様性の時代に求められるのはナンバーワンではないのです。
こういうこと書くと、「どうせお前が短小だからだろ」と下らないことを主張する層が一定数湧くんですが、私は学問にかこつけて承認欲求を満たそうとする人間の愚かさを説いているのであって、そもそもその「どうせ」の使い方は誤りです。思想の話から身体的特徴を卑下する乱暴な論理のすり替えです。
大切なことなので、その辺りよろしくお願いします。

以前雑誌の取材で浅草のハッテンサウナに通ってた時期があるんだけど、そのときにウーロンハイを奢ってくれた100近い爺さんに、今までで一番思い出深い男性器を尋ねたら「上官に抱かれたら従軍を免れて男の味を知った」って回答されて、このエピソードは個人的に永久保存すべきだと思いました。