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徘徊 ママリン87歳の夏のeulogist2001のレビュー・感想・評価

徘徊 ママリン87歳の夏(2015年製作の映画)
3.8
87歳になる認知症の母と娘のドキュメンタリー。4年間で家出が1338回。徘徊時間は1730時間。徘徊距離は1844キロ。最長では15時間も歩いてた。壮絶。

母親は元看護師、娘はギャラリーを営むキュレーターだろうか。大阪のど真ん中、北浜のマンションに2人で住む。

作品では娘は、失礼ながらおそらくは五十歳を過ぎたオバさんだろう、乾いた少しブラックも混じるユーモアを交えながら、そんな母を語るけれど並大抵のエネルギーではないのがひしひしと伝わってくる。

そんな中にもいざ我が身にも同じ状況が訪れたとしたら、どういう考え方で接するべきか、また環境は都会が良いのか田舎が良いのかなどの具体的なヒントにも満ちていた。親子とはなんなのか、認知症を抱える相手と共に生活するとはどういうことか、親の面倒を観るとはどういう事なのか。認知症100万人時代に大きな具体性を与えてくれ、少し勇気をもらえる作品でもあった。
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