イギリスの歌姫エイミー・ワインハウスのデビューから死去までを映すインタビュー・ドキュメンタリー。
彼女のことは全く知りませんでしたが、予告編で聴いた歌声が耳に残り、観ないわけにはいきませんでした。
音楽は堪能しましたが、物語としてはちょっとキツかったです。
前半の彼女は粗野な部分があるものの、いえ、そういう部分があるからこそ愛くるしく、とても魅力的な女性に見えました。でも、亡くなる原因になったドラッグにハマった後はヒドいものでした。
ドキュメンタリー作品としては、彼女の心の闇について探究すべき領域がもう少しあるように感じましたが、思い返すと本人やキーパーソンの言動から充分に察することができるようにも思えました。
ドラッグは絶対にダメだけど、人をそこに導くものから逃れるためには何が必要なのでしょうか。
極上音響上映にて。
<追記>
インタビュー対象者を映さない、というのはアシフ・カパディア監督の過去作『アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ』で既に試されている手法とのことですが、この作品でも取られています。それにより、話を引き出しやすくする意図や主人公から焦点を外さないようにする狙いがあるそうですが、撮る側の「顔」も見えなくなっています。僕が感じた物足りなさはそこでした。この手法の是非という観点で本作を観るのも面白いかもしれません。