ノラネコの呑んで観るシネマ

バリー・シール/アメリカをはめた男のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.3
事実は映画より奇なり。
冷戦真っ只中の70年代から80年代にかけて、CIAの雇われパイロットでありながら、政府・ゲリラ・カルテルを結び、銃・コカインの密輸で大儲けした実在の男の話。
話は典型的なピカレスクものだが、やたらと陽性でテンポがいい。
ノリと勢いだけで突っ走る、トムちん演じる主人公のキャラクターが面白い。
悪事を働いてるのに全く悪びれず、自分より遥かに強大な相手を手玉にとる。
人生に大切なものは、金と冒険というプライオリティが明確で、見ているうちに痛快に思えてくる。
こんな生き方は真似できないけど、あの時代チャンスがあればちょっとはやってみたいと思わせるのが上手い。
家を札束で溢れさせるなんて、一度だけでも経験したいよ( ;´Д`)
しかし、こんなことが半分CIAのお墨付きで行われていたのだから、アメリカとはつくづく不思議でパワフルな国だ。
時代性のあるビジュアルも見どころ。
基本的なことは劇中で説明されるが、この時代にCIAが中南米でした活動を少し予習しておくとより楽しめる。