このレビューはネタバレを含みます
酔っ払って見たのもあったけど、おいおい泣いてしまった
異国の地で、しかも「下位のもの」として蔑まれながら、慣れない…というか許容できる食べ物も少なく、天候も合わず、戦争という雰囲気の中、友人もなく、家族にも見捨てられたと思い込む…のはかなり辛い
ネットのある時代、東欧に1年行ってたけど、何度も体調崩した。信じられないほど寒いし、この灰色の空の国は私を異邦人としてしか認めないと思った
その倍は辛いんだと思うと…泣そもそも南インドなんて冬もないのに…
神達は天才を送り込んでみて、まだそれが地球には早いと思うと、早々に手元に引き上げちゃうのかと思うね
ジェレミーアイアンズの気持ちも分かる、東京生まれとしては私も彼の感覚に近い
同僚として、彼にできうる最大限の愛情と尊敬を示しているのは分かる
でも、ラマヌジャンが求めていた友情はそうじゃない
差別的なイギリス人に殴られた後、「顔の傷を聞かないのか?」と問い詰めるシーンがあるけど、
ジェレミーアイアンズからしたら、相手から言わない限り、そんなプライベートに踏み込むのは…と思うんだろうし、ラマヌジャンからしたら、全然心配してくれない、どうでもいいんだ、と思うだろうな…
タミル映画のあの感じが普通な人がイギリス来たら、そりゃあもう辛いだろうよぉ…誰にやられたんだ!これから殴りにいくよ!!くらいは友人だったらしそうだよね
食べ物にしても、「父の夢、私の夢」で、南インドから北へ行った子が、食べ物の違い(と言語)で苦しむシーンがあったけれども、
それがイギリスだなんてもう…
菜食主義への理解なんて当然ないだろうし、味付けなんて胡椒と塩くらいしかないし
食事が持つ重要性も、アジアとイギリスでは違うよね。挨拶がわりに「なんか食べた?」て聞く文化圏だものね。
正直手紙を隠したお母さんへの怒りは多少覚えるけど、まあそれもね…息子に帰ってきて欲しい一心ではあったんだけどね…
ラマヌジャンへの差別意識をあらわにする教授もいたけど、正直ジェレミーアイアンズがラマヌジャンの求める友人になれなかったっていう方が大きい
差別する人が何人かではなく、友人がいるかいないか
証明にしても、その大切さはちゃんと説いてるし、一緒にやろうとも言ってるんだけど、
どうしてもラマヌジャンからすると自分の発想の羽ばたきを制限されてるように感じるんだろうな…なんかちょっと新卒を”正しい"方へ導こうとする中堅の気持ちで感情移入してしまう…