クドゥー

ラ・ラ・ランドのクドゥーのレビュー・感想・評価

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)
4.5
『掴んだ夢の通り道に、永遠になった君がいる』

スターの街で出会った夢を追う男と女の一年間を描いたデイミアン・チャゼル監督作品は、互いに刺激を与えるところから始まる情熱的恋愛関係のままではいられない運命の果てに、映画や音楽を超えた人生愛へと昇華するロマンティックミュージカルのオールタイムベスト。

選ばれし者たちのものとは一味違う普通の人々の日常に根差したパフォーマンスに心奪われ、みんなが好むものが妥協の産物であるかのようなジレンマが表裏一体性を帯びて忍び寄るが、その二元論的浅はかさもあまりにも素敵な夢のような時間の前ではねじ伏せられる。

ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンの好きなものを語る相手への眼差しこそが特別で、二人の瞳を観ているだけで相手への想いが伝わってくる芝居は何かの境地に達しているが、空白の5年間には彼女の可能性をもっと広げる何かがあったかもというのが僕の解釈である。



鑑賞記録
2020.01.27
T・ジョイ横浜DOLBYCINEMA
→観る前から分かっていたマスターフィルムの再現で、ドルビーアトモスを主張するにはサウンドデザイン自体が弱い。それでも映画館で久々に体験できて良かったと思えるのは、この作品が自分にとって特別な一本であるから。時折びっくりするぐらい綺麗な瞬間があるから。
クドゥー

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