ブラックユーモアホフマン

インクレディブル・ファミリーのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

4.5
あぁ〜やっぱりブラッド・バード大好き〜〜

ピクサー史上最もお洒落なオープニングだったのでは。M:i ゴースト・プロトコルのオープニングも素晴らしい、ブラッド・バードさすが。
全体としてとにかくビジュアルのデザインが超カッコいい。明確にいつの話だとは明言されてないけどレトロで。ちょうど最初のスーパーマンやバットマンの実写映画の感じ?
ただ今回のプロダクションデザイナーはピクサー超ベテランのラルフ・エッグルストンだけど、前作の洗練されたビジュアルのセンスはルー・ロマーノによるものが大きかったのではないかと思うから、彼の続投がなかったのはちょっと残念。
悪役がちょっと魅力不足かなとも思うけど、正体が分かるまでの、操られちゃってる人の描写とか、ちょっと不気味で怖い感じはめっちゃよかった。
綾瀬はるかの吹き替えが前作より格段に上手くなってて最高だった。
それも手伝って、ヴァイオレットもだけど、実質的な主人公であるヘレンももちろん、本作は女性が活躍するヒーロー映画になっていて、ただそこにうるさいまでの政治的メッセージも感じず、ストーリー上の自然な流れとしてそうしているのが素晴らしい。
ママのヒーロー活動と同時進行で、パパの育児活動が描かれる。エドナに言わせていた通り、「子育てをやり遂げることはスーパーヒーローをやるのと同じくらいすごいことだ」と言う映画。『トイ・ストーリー3』『リトル・ミス・サンシャイン』の脚本家、マイケル・アーントが高畑勲監督『ホーホケキョ となりの山田くん』を観て、「ただの家族の平凡な生活も映画になるんだと知った」と言う精神を本作も受け継いでる。ボブとヴァイオレットとダッシュとジャックジャックのドタバタホームドラマがイラスティ・ガールのヒーローアクションに引けを取らない面白さとウェイトで描かれていたこと。そのことが一番感動的だった。
ちょっと残念だったのはラスト。オチのつけ方にもう一捻り欲しかった。
あと結局アンダーマイナー、今回も野放しのままじゃね?とか気になるところが無くは無いけど、でもやっぱ最高でした。