このレビューはネタバレを含みます
つい最近起こった実話ということに衝撃を受ける。
インドでは今も何万人もの子供が行方不明になっているらしく、問題提起としても非常によく出来た作品だと思う。
勝手に母親を探すロードムービーだと思っていたので、構成が想像とかなり違っていた。
迷子になり養子として引き取られるまでを前半たっぷり使って丁寧に描いていた。
この間に、大人に助けてもらえなかったり、何度も危険な目に遭ったり、しかもサルーだけではなく他にもたくさんの子供が登場し、社会が抱える問題が浮き彫りになっている。
養子になってからは家族やアイデンティティの葛藤が描かれている。
スーが子供を持てなかったわけではないと言っている場面があり、家族には色々な形が有り得るんだと思った。
奇跡的に母親に再会できて本当に良かったと思う一方で、サルー以外に登場した子供たちが現実にいるんだと思うと心が重くなる。
とてもいい作品だった。
