橘

LION ライオン 25年目のただいまの橘のレビュー・感想・評価

3.6
殺伐とした映画ばかり観ているので感動作でバランスを取ろうと思いました。
実話ベースということで、前半の迷子時期の殺伐度は変わりませんでした。
そもそも、サルーみたいな生き延び方出来るのが奇跡なんだろうと思います。再会出来たのは勿論奇跡ですが、それまでの諸々がひとつでもこうじゃなかったら難しい……

サルーの子ども時代演じた子が素晴らしかったです。キラキラしてて目を引かれてしまいます。

なので、大人役になったときに北島マヤ現象でした。“舞台荒らし”時代の『嵐が丘』と同じ……
ルーニー・マーラさんは美しいけど、この恋人役はちょっと受け入れ難かったです。とことん気が済むまで探させてあげてよ、と思いました。
探し当てて帰れたとき、現地の人たちより大人サルーのデヴ・パテルさんが頭ひとつ大きくてガタイもいいのに衝撃を受けてしまいました。
デヴさんはインド系なだけでインド人じゃないからかもしれんけど、栄養状態…と思ってしまって。。


エンドロールでの文字情報が一番衝撃でした。兄ちゃん。。
サルーが自分の名前すら間違ってたことにもびっくり。地元の言葉しか喋れない5歳だったら音感だけで認識してるかもなぁ……よく辿り着きましたね。
育ての親御本人に、演じてたニコール・キッドマンさんがかなり寄せてたんだなとも思いました。

育てのご両親もできた人だったな…分け隔てなく育ててたら、弟は辛かろう。。


日本国内では、どこで迷子になっても言葉が通じない事はないと思います。
でも、隣近所に誰が住んでるのかよくわからないので誰か居なくなってても気付かない事は相当ありそう……松◯太の事件とか、露見したから犯行としては終わったものの。
映画外のことまでつらつら考えさせられました。
インドって人口世界一ですから数は比べものにならないけど、事実は小説よりも奇なり(で済ませたらいけないんだ、何から出来るのか…)。。
だからこそ、この映画のような奇跡が輝いて見えるのかもしれません。
橘