mao

LION ライオン 25年目のただいまのmaoのレビュー・感想・評価

3.8
自分にはどんなルーツがあって、どんな文化で、どんな人に囲まれて、何を見て、何を食べて育ってきたんだろう、っていうのが分からないってどんな感覚なんだろう、と思った。

実母に会えるかも、国に帰れるかも、家が分かるかも、という可能性が、オーストラリアで正直普通に日本人から見ても豊かだなぁって思うくらいの暮らしをしてるサルーを、一撃で変えてしまう、ことがすごく印象的だった。

何気なく、自分の中に揺るがずにある、生活してる時にはほとんど意識しない地元とか、実家とか、両親、兄弟という存在だが、それがあることがわたしの人格の大前提なんだなぁと感じた。

世界には苦しんでいる子供が何万人もいるのに、自分の子供を産んで意味があるか?と思ったからサルーを養子に取ったという養親の言葉に、なるほど、そんな考えがあったのか、と思った。
(けどそれには納得はするけどあんたは誰なんだっていう気持ちもある。否定はしない。たぶん宗教の違い)

映画は映画だから、美しいに決まってる、けど、実際のサルーの映像や写真を見た時、地元に帰れて、母に無事に生きていることを伝えられて、本当によかったなぁと思った。
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