ダンクシー

イット・フォローズのダンクシーのレビュー・感想・評価

イット・フォローズ(2014年製作の映画)
3.1
「あるモノがつけてくる。俺が感染したそれをさっき車の中で君に移した。それは時には知人に時には他人に姿を変える。変幻自在だ」

どこまでも追ってくるナニカ。自分にしか見ることが出来ないという恐怖。死=ITであり、死が可視化されるようになったのがこの映画の特徴。
追いかけられるというシチュエーションの持つ怖さを思い知りました。危険が迫って来るがゆえの恐怖。ゲームでいう"青鬼"などの怖さと同じですね!

「なるべく早く誰かと寝て相手に感染させろ。君が殺されると俺に戻ってくる」

セックスから生まれるものは"生"であり、その生はやがて必ず"死"を迎える。だからこの映画の設定はそういう意味でちゃんとしていると思う。誰かとセックスしてその人に"ソレ"を移しても、その人が死ねばまた"ソレ"が自分の元に戻ってくる。いわゆる無限ループ。つまり、自分が死ぬまで終わることがない。"死"はゆっくりと迫ってくるものだから歩いてくるのも理にかなってる。

移した方、移された方は"ソレ"の姿を見ることが出来るという設定。グレッグの元に中々"ソレ"が現れなかったのは、他の人に移したからだろうし、そうやって相手を犠牲にして安易に"死"から逃れようとすればいずれ報いを受けてしまうが、一方で愛し合う者同士なら支え合いながら助け合うことが出来るし生き延びる確率も上がる。
要するに、この映画は自分のことを本気で愛してくれるパートナーの存在が大事ということを伝えている。"死"への恐怖が無くなる訳では無いけど、気持ちを楽にしてくれたり恐怖を忘れさせてくれるような存在に誰しもが救われるということ。我々にも言えることですねぇ。
ラストが分からなかったという人が多いですが、これをふまえてから観ると理解できると思います!!

ジェイ達のようにお互いに移し合うという生き方を選んだとしても、絶対逃げ切ることは出来ないしいずれ追いつかれて捕まって死ぬんだけど、それでも愛の力の偉大さは計り知れないものなんだよ、ってコトだね!分かったか!?ラブだよラブ!!
ダンクシー

ダンクシー