ブタブタ

イット・フォローズのブタブタのレビュー・感想・評価

イット・フォローズ(2014年製作の映画)
4.0
戦慄の「志村後ろ後ろー!」系ホラー。

怖さよりも話しの面白さや限定された空間における如何にそのゲームをクリアするかと言った部分に特化したタイプのホラー映画だと思います。

グラフィックで美しい映像はダリオ・アルジェント程毒々しくなく、それでいて現実とは違う一種ゲームの中の世界の様な非現実感を醸し出してます。

リング以降のJホラーがアメリカに渡り、その影響下で生まれた『パラノーマル・アクティビティ』等の「本当にあった呪いのビデオ」系のホラーと、呪いや祟りと言った人間の力ではどうにもならない相手、所謂「幽霊」がモンスターとして襲ってくるホラー。

本作は後者で広義な意味ではゾンビのバリエーションとも取れますが、世界的なゾンビブームの中、ゾンビのバリエーション展開?ロメロのノロノロ歩くゾンビから走るゾンビ、ゾンビではなく「感染者」になったり、また『パージ』等生きた人間がそのまま襲って来たり『crown town(未公開)』では殺人ピエロが集団で襲って来たりと今迄は1人だけだった殺人鬼が集団化したり、またゾンビ自体が新しい形に進化?したりと様々な試行錯誤が行なわれている様で怨霊ともゾンビともつかないノロノロ歩いて来て変身し本人にしか見えない「それ」は今迄あったいくつかのホラーモンスターの特徴を合わせて新しいモノを作り上げた感じでそんなに奇抜でもなければ古臭くもないし絶妙なバランスが取れていたと思います。

舞台であるデトロイトの少し郊外に出ると廃墟が広がっていたり、また貝殻コンパクト型iPhone?(iCompact?)と言うガジェット、世界観は少し古いアメリカの様でもあり近未来の様でもあり美しい映像と相まって不思議なレトロ感が全編を覆っていました。

音楽について、けたたましくて古臭い感じがしたのですがアレは映像とのアンバランス感?を狙った演出でわざとであり敢えて80年代スラッシャー映画の様な音楽を使ったのかな、とも思いました。
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