デイジーベル

イット・フォローズのデイジーベルのレビュー・感想・評価

イット・フォローズ(2014年製作の映画)
3.7
「決して逃れられない死」
※但し「セックスすると相手に移せる」という、とんでも設定がある

◯作品と概要◯
制作費200万ドルでありながら、2000万ドルのヒットを飛ばした、レフン監督やタランティーノ監督が称賛した新感覚ホラー作品。80年代を感じる音楽はディザスターピースが担当。初めて聞いたが、ゲーム音楽を作曲してる人のようだ。日本ではセックス版リングとも言われてるらしい。

◯感想◯
ねちっこいカメラワークや演出が、最近のスピーディな演出のホラーとは違う(昨今の一辺倒になりがちなホラー映画に一石を投じた)、じわじわくる系の恐怖。初期のゾンビを思わせる、走らないで″のろのろと歩いて″近づいてくる恐怖に懐かしさを感じつつも、接近した時に感じる衝撃は凄い。一見すると「それ」のメタファーは「性病」や「責任や対価」とも取れるが、ひょっとしたら「死」=「大人」を表しているのかもしれない。(ラストシーンの捉え方は観た人によって変わりそうだ。個人的には″含み″を持たせたハッピーエンドに感じる。)なんにせよ、愛の無いセックスの危険性が伝わってくる気がする。そして「それ」が何なのかわからないのが恐怖に繋がり、人によって受け取り方(恐怖のかたち)が自由なところが楽しめる。
「青春×ホラー」という若者にうけそうな作品となっている。


◯雑記◯
設定がとにかく斬新で、面白い(怖い)状況を生み出している。「大人は信じてくれない」という10代にとっての世界観がうまく物語を演出している。もっと若い時に観ていたらトラウマになっていた…かもしれない。個人的にはデートムービーにおすすめの作品。(´ω`)