Donatello

ブラックフット クマ地獄のDonatelloのレビュー・感想・評価

ブラックフット クマ地獄(2014年製作の映画)
3.3
個人的な話なんですけどもね、人生で2度クマに追いかけられた経験のある者として言わせてもらうと、昔の映画『グリズリー』みたいに、クマは実際には襲ってくる時ガオーって言わないですからね。無闇に立ち上がったりもしないですからね。
よそ見をしながら何気なく間合いを詰めて、いきなり突進してきますからね。
これはもう本当にね、『ジョーズ』と『オープン・ウォーター』くらい違うわけですよ。

一度はバイクでアメリカ横断中にワイオミング州というトコの山間部の道路で、もう一度は鹿狩りに連れられて行ったモンタナの山の中で。
もうね、バイクの時は追いつかれるかと思ったし、鹿狩りの時は車に逃げ込んだけど突進で車横転するかと思いましたからね。アレですよ。軽自動車じゃないですよ。フォードブロンコってなかなかデカくて重い車が、ですよ。

という前提で観ると、コレかなり怖いというか、下手なアニマルパニックものより迫真だなと。
全然クマ地獄じゃないですけどね。
邦題が悪いですね。これは。

襲われる瞬間もそりゃ当然怖いんですが、なにが怖いって、逃げ隠れたりしてる時も、こちらより嗅覚・聴覚・身体能力に優れた相手に対してオチオチ安心出来ない訳ですよ。

この映画、クマはそんなに出てきませんが、寧ろ端役レベルなんですけども、そういう恐怖でジワジワ攻めてくる感じがなかなかリアルというか、下手にガオーってやられるより怖いと思います。
まぁ普通期待するのはガオーですけどね。
あと喋るぬいぐるみのおっさんグマとか。

そんな訳で、「福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件」あたりをネットで読んでから、この映画観ると少しばかり怖さも倍増するかと思いますので憚られますがオススメです。

それと関係ないですが山で子熊を見たときはゆっくりさっさと逃げてください。母熊さんが既にあなたの背後にいるかもしれませんが。
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