Donatello

ポルターガイストのDonatelloのレビュー・感想・評価

ポルターガイスト(2015年製作の映画)
3.3
古い映画、すなわち現在の2016年基準で言えばSFXからVFXへの過渡期である80年代あたりの、「特殊効果前提で作られてるけどちょっと追いついてない」映画を、最新VFXにしたらどうなるのかと想いを馳せるのは何もこの映画に限った事ではないのですが、取り敢えず観てみたいものでしてね。

作品自体はともかく、出演者が次々と不幸な目にあったエピソードに事欠かない呪われた元ネタを、そんなの知ったことかとリメイクするサム・ライミさんの命をかけた製作者魂には頭が下がります。

とは言え、少年の頃観ても大して怖くなかった作品に、ブラウン管テレビが薄型大画面になったり、スマホだドローンだとイマドキさを放り込んではいますが、基本的には元ネタを踏襲しまくりで相変わらず怖くないのは想像の通りです。
ま、PG-12の映画にツベコベ言っても仕方ないところですが、同じレーティングの『死霊館』あたりはまぁまぁ怖かっただけに、ギル・キーナン監督でなくてジェームズ・ワン監督なりが撮ったらどうなったのかは興味ありますよええ。

折角なのでもう少しイジっても良かったんじゃないかと思いますが、純粋にリメイクしたかったんでしょうね、きっと。

ただ演技的な部分はまあまあで、なんだかいちいち物足りないパパ役のサム・ロックウェルさんや、ジャレッド"モリアーティ"ハリスさん、子役の女の子、そしてなにより僕の大好きなママ役のローズマリー・デウィットちゃんなど、皆さん熱演です。
故にやはり惜しいなと。

旧『ポルターガイスト』を観たことあれば敢えてコレを観る必要性を感じないながらも、「昔の映画は映像が古臭くて苦手。だからあまり観ない」という層が一定数居るのは事実で、そういった人達の為の映画と思えば納得します。

日本では劇場公開すらされずビデオスルーの作品であることからしても、全体的な出来栄えは押して図るべしですが、まさかの不幸があったりするとカルト的な人気が出るのではないかという気がしないでもない。
いやダメですよでも。
出演者の皆様の無事を祈ってます。
Donatello

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