n0701

二重生活のn0701のネタバレレビュー・内容・結末

二重生活(2016年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

なんの意味も感じない人生。

彼女は哲学の論文の題材で、理由のない他人の人生を追跡して生活や行動を記録する。

レベルの低すぎる彼女の尾行は簡単にバレてしまい、グダグダになる。
対象の男は出版社の部長で、不倫をしていた。初めは事務的な尾行だったのに、不倫への興味から行動が道理を追い越してしまう。

彼女の目的は論文を書くことだから、手段は選ばない。しかしそれが駄目な方、駄目な方に向かってしまう。

ウジウジウジウジ、陳腐でつまらない過去にこだわり、最終的に尾行していた男と体の関係を持ってしまう。

退屈な映画だ。
つまらない。

もう見え見えの展開で、何の意外性もない。

もう少し突っ込むなら、人の抱える秘密が、公正な世の中を築く手段としての唯一の方法であるかのように描いているが、それを覗き、垣間見ることで得られる理解など瑣末も瑣末。

その本質はただの興味だ。
そこには常に主体性がつきまとう。例えば、これは映画の本質にも繋がる。誰も知らない人物をなんの興味もない人が勝手に盗み見るものではなく、誰かが意図して作られ、構成された物語をその枠組みにして見ている以上、そこには思想や指向性が多分に含まれた作られた事実だけが浮かび上がることになる。

そこには描かれる側の同意がある。
だが、人の人生を勝手に見るということは根本的にそこが違う。

意味付けしてもそれは言い訳にしか過ぎない。まるで子供の言い訳だ。
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