ギャス

フォーリング 少女たちのめざめのギャスのレビュー・感想・評価

3.2
エモーショナルに振り切って、
わかる人にだけ感じてほしい、
そんな映画かもしれない。
サブリミナル的な映像の挟み方にも、それは表れている。

いろいろな解釈を許すが、話はさまざまな要素を含んでこんどは解釈を拒絶する。

自然の美しさ主に木や池や枯葉のクローズアップ、そして、シンプルで情感たっぷりの曲とたくさんの詩で彩り、
若さや生命、女性であることの賛美と否定、大人(老年)への絶望などを感じさせる。

ネタバレ
しかし、ラストは急にわかりやすい話に落とし込まれそのため兄との関係の背景も薄くなり、それが全ての理由であり全て解決へ向かうかのように語られたので、せっかくのエモーションが少々気抜けした。この辺は残念。

一人だけ存在するインド系?の女子生徒に失神の症状が出なかったところは、血によるものだという印象づけだったのか、それともそれによって社会性(大人であること)が彼女だけ身に付いていた背景にしたかったのか、少し戸惑いがあった。意図があるならはっきりさせたほうが良い点だったと思う。

男は、優しそうでだらしないか、人間性に欠けるか、バカっぽい描写。もちろん男性版ベクデルテストもアウト。今までの映画によくある、女性の描かれ方の逆張りのようで面白かった。
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