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ザ・アウトローのロクのレビュー・感想・評価

ザ・アウトロー(2018年製作の映画)
5.0
ふざけすぎた邦題(原題は「Den of Thieves(強盗の巣)」)とジェラルド・バトラーを中心とした予告編のせいで単なる悪徳刑事物と思って観に行かなかったら大損する男臭いクライムアクションの大傑作!!夜明け前のロサンゼルス郊外、休憩のためにドーナツショップ立ち寄った現金輸送車を武装強盗団が襲撃し激しい銃撃戦の末、輸送車を盗み出すことに成功する。翌朝、事件現場に到着したロサンゼルス郡保安官のニックはドーナツショップの店員が殺されていないことや鮮やかな手口などから数日前に刑務所を出所したプロの強盗犯メリーメン率いる強盗団の仕業だと推察するが、彼らが盗んだ現金輸送車に現金が積み込まれていなかったことが腑に落ちなかった。ニック達は早速捜査を開始し、彼らの仲間の1人に高いドライビングテクニックを持ったドニーという男がいることを突き止めニック達は彼が働くビアレストランを尋ねるが...映画の冒頭とクライマックスに壮絶な銃撃戦はあるけれど物語は頭脳戦、神経戦が中心となっており物語が終盤へ近づくに連れて張られていた伏線が回収されていくため神経を集中して観てないと訳が分からなくなります。作品としては「ザ・タウン」や「ヒート」に近く「オーシャンズ」シリーズみたいな映画を期待して観ると肩すかしを食らうので、御注意願います。とにかく銃撃戦のシーンが凄まじくクライマックスの20分近くに及ぶハイウェイでの銃撃戦はアクション史上に残る名シーンの一つです。本作が面白いのは強盗団達が全員元海兵隊の特殊部隊に所属していた軍人というところで、そのためか綿密な計画を立てる計画立案能力や銃火器を扱う能力に長けており組織だった行動が取れる凄腕集団で格好いいですし対する彼らを追う郡保安官達も酒は飲むしタバコは吸うし結婚しているにも係わらず女も買うと一見すると最低な奴らに見えるけどここぞという時には俊敏かつ組織的に行動し強盗団達を追い詰めて行く姿も格好いいです。
また、舞台となる場所もビバリーヒルズやハリウッドなどのメジャーな場所ではなくコンプトンやサウス・ロサンゼルス周辺の犯罪多発地域でヤバい空気が画面を通して伝わってくる感じで映画に緊張感を生み出しています。主演を務めたジェラルド・バトラーも無精髭を蓄えビールっ腹で女房にも愛想尽かされて出て行かれる保安官を味わい深く演じており良かったです。捻りの効いたラストも含め全米では大ヒットを記録し続編の製作も決まったそうなので熱い男達の姿を目に焼き付けたい人は是非とも観て欲しい作品です!!!
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