ひの字

たかが世界の終わりのひの字のレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.0



冒頭の「家は穴」という曲が流れる場面でまず「そうそうそうなんだよな〜」と惚けてしまった。(初めて知ったけどいい曲だなぁ)
別に全然状況は違うけれども、実家のことを想った時のうんざりさや寂しさと物凄く親和性が高い。
皆勝手に期待して、失望して、怒って、たしなめてくるんだ、"家族"というだけで。ただただそれにうんざりしている、私が。だけど信じて欲しい、嫌いってわけじゃないんだよ、分かり合えないだけで、あなた達が求める形では傍にいられないってだけなんだよ。
なので、そうだよな〜と深く頷いていた。こういう作品があるのは、そしてアカデミー獲ってデカめに肯定されるのは純粋に、有難いなと思った。 とても、気軽にとか何度も観れたりとかする映画じゃないけども。

お母さんが口紅を見つけた時の「神様、ありがとう」というシーンが好きで、ずっと真似している。
何事もままならないことをわかった上でのさりげない、心からの感謝を忘れない。ありがとうという名前をつけて、ささやかな幸せを逃さず知覚する。
そうしていればこんな私でも幸せでいられるかもと、夢想していたいのだよな。
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