いかちき

たかが世界の終わりのいかちきのネタバレレビュー・内容・結末

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

十二年前に家を出た人気劇作家ルイが自分の死が近いことを家族に告げるため実家に帰る話。
たくさんの料理を作りマニュキュアをして待つ母。窓から弟が帰って来るのを見ている兄。その妻はルイとは初対面だ。そして幼い頃に兄と別れてしまったため十二年間憧れを抱いて、慣れないお化粧をして待っている妹。
でも十二年は長い。血の繋がりでは埋められない隔たりがある。そして家族という免罪符は棘になる。兄嫁の心遣いが痛々しい。

昔友人が「お葬式で親族が集まるとたいてい喧嘩になるよね」と言っていたのを思い出したし、実際に喧嘩になった経験が何度かある。
例えば祖母のお葬式では兄である父と末の弟である叔父が喧嘩になった。
どうしてそこに至るまでに日頃から話し合うとかできないのだろう。親の葬式で兄弟喧嘩して妻や子どもたちを泣かすくらいなら縁を切って二度と会うなよと思ってしまう。
めんどくさい。

家族ってなんだろう。
ドラン監督作品を観るたびに思う。
ルイの大切な人が亡くなったことを告げる兄は何を考えていたのだろう。それ言う?ってびっくりしたわ。
空港での夜明けのコーヒー話への意趣返し?性格悪すぎない?

ガブリエル・ヤレドの音楽は良かった。エンディングのMobyも。久しぶりに聴こう。
レア・セドゥーとナタリー・バイが「恋のマイアヒ」で踊るところだけは笑った。
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