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たかが世界の終わりの10000lyfhのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.0
劇作家として成功した 34歳ゲイ男性が、不治の病で余命わずかとなったことを告げに 12年ぶりに家族を訪れるが、DV 夫となった実兄を中心に機能不全な家族とコミュニケーションが取れず、告げずに去る。ドランにしてはテーマも作風も落ち着いており、従来からのファンには物足りないかも。自分が他の家族メンバと大きく異なる家庭環境で育った私は、主人公に全面的に感情移入、めったにない揺さぶられる映画体験だった。言葉を介さずとも意志の疎通のできる相手が、血の繋がりのない義姉なのもリアル(余談だが、ストレート主人公なら肉体関係の暗示と解釈されかねないのを、ゲイ設定で回避。この設定の有効な利用法の一つ)。兄の DV 夫ぶりは誇張され過ぎに感じたが、こんな人物、私が思うより多いのかもしれない。他、序盤のスモールタウンの人々からの凝視や、メイクを含め女性の三者三様の人物像がみどころ。劇伴は DAW とアコースティックの程よいブレンドで、いまのインディ映画の世界標準な感じ。初期ドランは派手目のヒット曲やダンスミュージックを多用していたが、本作は O-Zone をソースミュージックで使用する程度で、音楽面でも落ち着きをみせる
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