てんさん

たかが世界の終わりのてんさんのレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.2
今までのドラン作品の中でも突出して、
観た人の年齢や環境によって大きく感想が異なりそうな作品。
ちなみに私はというと、総じてイマイチよくわかりませんでした。笑

映画丸々一本分、家族での食事の場面が描かれていたので気になって調べてみたら、フランス人にとって週末の食事は家族総出で準備をして楽しむ特別なものなんだそうですね。

その食事が荒れる荒れる…
この家族にとって、12年ぶりに現れたルイは息子でありながら、完全なる"異物"でした。家族揃っておめかしをし、浮き足立ち、普段と違う皆の様子にそれぞれが苛立つ様子はまさにそれを象徴してるかなと。

でもそれでも、母が自分自身に宣言するかのようにルイへと放った「この愛は誰にも奪えない」という台詞はグッときました。

家族皆が幸せな1日を望みながら、自分の想いを素直に伝えられず(言いたい放題である意味素直でしたが笑)崩壊していく様は、ただただ哀しい。

この哀しさが結果的には美しいんだけど、ドランもひどいことするよなぁ。笑
てんさん

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