侑菜

たかが世界の終わりの侑菜のレビュー・感想・評価

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
3.5

「これが最後だなんて、
  僕たちは哀しいくらい不器用だった。」

劇作家として成功したルイは、家族に自分の死が近いことを伝えるために12年ぶりに里帰りする。
母マルティーヌは息子の好物をテーブルに並べ、幼少期に会ったきりの兄の顔が浮かばない妹シュザンヌもソワソワして待っていた。
さらに兄アントワーヌとその妻カトリーヌも同席していて……。

家族の間にあるただならぬ距離感。
自分の家族とはかけ離れてるが故に始めは共感出来なかった。
でも、家族と言ってもそれぞれの性格があり、他の兄妹と違った彼が家を出ていった理由も理解出来る。
12年も経てばぎこちなさもあるだろう。
終始喧嘩を勃発させる家族。
だけど、一瞬家族皆が笑い合ってるシーンでほっこりする。
家族だからこそ、根底に愛があるからこそ、どんだけ言い合っても笑い合うことだって出来る。
彼のことが理解出来ないと言う家族。
でも、わかってるから彼が家に帰って来たのには理由があって、その理由を聞いてしまったら色んなものが崩れてしまう、そう思ってだれも核心に触れられないんじゃないか…

愛が終わることに比べたら、たかが世界の終わりなんて。
侑菜

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