GaPTooth

たかが世界の終わりのGaPToothのネタバレレビュー・内容・結末

たかが世界の終わり(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「深くえぐられた傷痕」だったはずの家に帰る。12年ぶりに。自分の意思で。

迎える家族。共に過ごし食事をし、伝わってきたのは「僕という存在の幻想」

均衡を保っている家族。
恋のマイアヒ♪
家族の責任という重荷を担っている兄の存在。

「僕という存在の幻想」
家族の誕生日に送り続けた絵はがきの束。12年間累積された束。
覚えていないはずの妹からの精一杯の好意。
母親が繰り返し語る子供の頃の日曜日の話。

母親との充たされた時間は、
ルイの心を救ったのか。
受け入れて欲しいという願いは満たされたのか。
そして[終わり]への恐れを払拭できたのか。

大丈夫。
母の愛は、ルイの全てを覆い尽くすほど広く大きかった。
「理解できないわ」
「でも愛しているわ、あなたを」
「誰もこの愛は奪えない」
顔を寄せ、おでこを付き合わせる母親。
「パパの目とそっくりよ」
母親の胸に抱かれたルイは、母親の愛を全身で受け止めただろう。

安心して良いよ。大丈夫。
ルイの世界が終わったとしても、この愛は決して絶えることはないんだから。
『たかが...たかが世界の終わり』なんだから。

ドランで号泣したのは初めて。
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