マイノリティ・リポートでも描かれていた、徹底的な管理社会っていうのは、この先訪れてしまう気がする。
人類永遠のテーマである、健康のためなら、何を持ってもそれを手に入れたいと思うだろう。
でも右へ倣えが当たり前になって、周囲の人の目を気にして、統制されていった後の世界が、人類にとってのユートピアなのか?
そういった警鐘を、この作品からは感じる。
自分の意識さえもコンピュータにコントロールされるようになったら、はたして、生きている意味はあるのだろうか?
限られた時間の中で、自分が生まれてきた意味を実感できたなら、それが命を燃やして生き抜いたことに繋がる気がする。
自分がこうしたい!と思ったことに時間を費やしたい。
なんかもう、こんな社会になるのは嫌だ!と思わせてくれる作品。
黙っていたら、こうなっていってしまう感覚に陥りますね。
「虐殺器官」という衝撃的なタイトルと、CMによって強烈に興味を持っていかれてこの作品を観ました。
原作者、伊藤計劃さん。
もう亡くなられたということで、本当に残念でしかないですね。
小島秀夫さんを敬愛されていたそうで、スナッチャーからファンになり、メタルギアにも心酔していたんだとか。
それを読んで、納得の世界観。
最初に大塚明夫さんの声のキャラが出るのもオマージュか。
もしまだ生きていたら、野崎まどさんと並び、日本のSF作品を引っ張っていってどんどん面白いことになっていったのかなぁと妄想しちゃいますね。
とはいえ、僕はもっと硬派なメタルギアな世界観が好きなので、百合感爆発の映像は、見ていて辛かった。。
話は惹き込まれるものがあるのですが、それがもう全体の評価を押し下げてます。
虐殺器官の絵で作って、もっと硬派な仕上がりになったら、より良くなったんではないでしょうか。
こういうのに、あんまりエロ要素はいらない派なので。
意味があるならいいけどね。。