コマミー

ソ満国境 15歳の夏のコマミーのレビュー・感想・評価

ソ満国境 15歳の夏(2015年製作の映画)
3.5
【海を越えた戦争の記憶と被災地の子供たちの、カメラを通した経験】

※考えたこともなかった発想だったので、レビューさせて下さい。


とある福島県の中学生に、海を越えたある依頼が舞い込んでくる。それは[満州]で、置き去りにされた"少年兵たち"の決死の逃避行を、映像にして伝えてほしいとの依頼だった。


正直、戦争と被災地を同等のものとして、描くのは適切かどうか、いかがなものなのかと、疑問に思った。だが、この二つは"似ているところ"もあって、それを合わせることによって、"伝え方はだいぶ変わる"ことに驚かされた。

おそらく、福島の子供たちと、満州国の日本の少年兵たち役の役者は同じ人もいると思うが、なぜか惹かれてしまった。というのも、"無駄がない"。そして、"伝えやすい"。そして、夏八木さんと田中さんの落ち着いた演技。なかなか丁度よく、伝えやすい作品であることを思わせてくれる。

教材としても充分に使えるし、もっと多くの人に観てもらいたいなと思った。
というのも、一件"合わせて良いものか?"という内容でも、同じ"悲惨な経験"をした者同士だからこそ、伝えあえるものがあることを、伝えたかったのだと感じた。


奥深いものを感じさせた作品でした。
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