ひろ

500ページの夢の束のひろのレビュー・感想・評価

500ページの夢の束(2017年製作の映画)
4.0
伝えたい物語があるから、伝えたい人がいるから
一つの孤独な光が今、宇宙へと旅立った

自閉症のウェンディにとって、外の世界は広大で未知なる宇宙だったのではないかと思う。
ウェンディの旅する姿が、スタートレックの物語や"恐れるな、未知は征服するためにある"といったセリフと重なった。
J・J・エイブラムスのスタートレックしか知らないが、多少なりとも知識があって良かったと思う。
本編とは関係ないが、お姉さん役の人をどこかで観たことがあると思っていたら、『スタートレック イントゥ ダークネス』に出てた人だった…なんという星の巡り合わせか。


ダコタ・ファニングの鬼気迫るほどの痛々しく悲痛な演技や、他の役者の演技があまりに見事で、中盤まで観ていて辛いシーンが多かった。
だが、おばあちゃんや警官との出会いに心温まった。
クリンゴン語のくだりでは思わず涙腺崩壊してしまった。

最後のシーンは、今までとは違う新しいセーターで、一歩踏み出して自分から赤ん坊を抱く姿で終わったのが非常に美しかった。

また、原題の"Please Stand By"はとても素敵なタイトルだと思う。


最後に、"live long and prosper"


P.S.
ダコタ・ファニングの演技についてもう少しだけ触れたい。
他人と目を合わせられない、無理に笑顔を作れない、自分の考えを止められない、神経質でものに固執する…といった自閉症ならではの特徴を見事に表現していた。
圧巻の演技力だった。
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