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500ページの夢の束のakayukiのレビュー・感想・評価

500ページの夢の束(2017年製作の映画)
4.0
自閉症のウェンディが「スター・トレック」の脚本コンテストに出品する為自らの足でハリウッドを目指す物語。
信号を渡ることでさえ勇気がいる女の子がバスを使ってハリウッドに向かう。それだけでもハラハラするような出来事なのに、その冒険の先でいくつもの災難に遭遇するもんだから見ていて可哀想でならない。それでも彼女の諦めない意志の強さと困難を乗り越えていく底知れぬパワーは、可能性は誰にだってあるんだと強く感じさせた。
その可能性を信じて見守る人達も皆温かい。ウェンディの理解者になった男性警官とのやり取りは特に良かった。
姉との関係性も考えさせられるところが多かった。身内であっても自分の人生もある中で一緒に生活するとなると簡単にはいかない、預けるのが薄情だなんてとても思えません…。でもラストカットが綺麗で本当に良かった。

ウェンディ役のダコタ・ファニング、難しい自閉症の役を見事にこなしていたし、とてもカッコイイ女の子に成長させていた。姉のオードリー役のアリス・イヴは実際に「スター・トレック」に出演してた方という粋なキャスティング。出番は少ないですが「ハッピー・デス・デイ」のジェシカ・ローテ、「ER」シリーズのローラ・イネスの出演が嬉しい驚きでした。

「スター・トレック」に少し触れてから見るべきだったなと後悔。知らなくても楽しめますが、知ってる方がウェンディの理解者により近付けると思います。
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