深獣九

キル・ビル Vol.1の深獣九のレビュー・感想・評価

キル・ビル Vol.1(2003年製作の映画)
4.0
鬼才クエンティン・タランティーノが送る、西部劇でヤクザ映画でカンフーで時代劇で格闘ゲームでSF漫画でラノベなアクション大作。これぞ「ザ・やりたい放題」😂😂😂

殺されかけた組織の女が復讐の旅に出る、という話。シンプルだけど、タラ監督のこだわりがハンパない。設定も舞台も、登場人物も武器も厨二病をこじらせまくってる。気持ちよすぎ。

例えば赤十字眼帯ナースとか、毒蛇暗殺団の写真がいちいちカッコイイとか、バイクに刀装備とか、クナイとか鎖鉄球とか。ネーミングもカッコよくて、ブライドの所属してた組織の通称は毒蛇暗殺団、オーレンの率いる殺戮部隊はクレイジー88、夕張の武器はゴーゴー・ボール。

ほかにもワイヤーアクションや、格闘ゲーム『鉄拳』を彷彿とさせる雪の庭園など、少年の心を持つオッサンは魂を揺さぶられないわけがない。たぶん鑑賞中、オッサンの瞳はキラキラしていたに違いない。

もちろんバトルシーンも徹底している。日本刀を振り回してバッタバッタと敵をなぎ倒すところは、カンフーの要素も相まってとにかく爽快痛快。「青葉家の決戦」では血飛沫と死体の量がギネス級で、これだけ多いのは『ブレイン・デッド』くらいではないか。凄いんだけど笑ってしまった。

オーレンの刀の鞘にビーズ飾りが付いてて、ギャルじゃんと思った😂

最高に楽しめたのだが、ただひとつ残念だったのは、オーレンとの決闘シーンで息が白くなかったこと。雪のつもる日本庭園なのだから、そこはこだわってほしかった。細かいことだけど。

『キル・ビル』はタランティーノを知るためのバイブルとして、2作目に観るのがオススメ(1作目はもちろん『レザボア・ドッグス』)。配信はなさそうだけど、近所にTSUTAYAがあればいますぐゴーゴー!
深獣九

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