【花魁と武道】
※クエンティン･タランティーノの作品を巡る旅④
｢やっちまいなぁ！｣、布袋さんの曲、そして日本の"ヤクザ映画へのオマージュ"が多いことで有名なこの人気作の第一作目は、冒頭でも深作監督への追悼メッセージや、[ショウ･ブラザース]のロゴが出てきたりと、"武道映画"が好きなタランティーノが"やりたい放題"やっちまった映画なのだ。
観た限り、荒削りなシーンがあるかもしれない。たが、好き放題は好き放題でもタランティーノはちゃんと敬意を込めて、作ってるのだとおもう。アニメーションの回想シーンがあると思うが、あれをあえてなぜ｢実写で撮らなかったのか？｣と疑問に思うかもしれないが、もちろんああゆう"日本のアニメーション"で、ファンであるタランティーノが表現したかったかもしれないが、実写よりも格段と"見応えはある"し、海外の技術でこのシーンを表現するには、不足があったのかもしれない。
さて、青葉屋だっただろうか。あの殺陣のシーンは特に印象的であっただろう。あの雰囲気は、おそらく｢仁義なき戦い｣やオーレン石井のモデルとなった｢修羅雪姫｣、そしてゴー･ゴー･夕張のあの武器は、ショウ･ブラザースの｢空飛ぶギロチン｣だ。
まさに、"玉手箱"だ。彼は、一つのシーンで見事なまでの、ギュウギュウに詰まった"オマージュの玉手箱"を作り上げたのだ。
これを作り出したタランティーノも、メイキングで大満足していた。
なんとも、腹一杯にお腹が脹れるような作品ではあるが、頭を使うような映画を撮っていたタランティーノにとって、この作品はビックリするような"息抜き"だったのではないかと、思いました。
