プレストン・スタージェスの代表作として後年伝わる理由もよくわかるコメディ賛歌。
序盤のカーチェイスはキートンの傑作コメディのドタバタ模様を彷彿とさせていたが、思えばここから既にサイレントコメディ映画にオマージュを捧げる趣が見られた。
貧者の様子も怒りの葡萄と比べたら戯画化されてる感は否めなかったけど、ここでも見られたサイレント映画っぽい演出はチャップリン的のようでもあって良い雰囲気だった。
極め付けは終盤の名シーンだが、思いっきりディズニー映画を引用してコメディ映画の素晴らしさを強調するものだったけど、動的なコメディ映画への敬意の気持ちは自分も持っているからあのシーンには共感しか抱けなかった。
そんなこんなでスタージェスのコメディ哲学がこれでもかと感じられる映画となっていたが、やはりラストのサリヴァンの台詞はスタージェスの気持ちそのものだったのだろう。