サリヴァンの旅の作品情報・感想・評価

「サリヴァンの旅」に投稿された感想・評価

これは良かった。
本当に世間のどん底まで落ちてしまった時に、それまで自分が低俗なものとみなしていたコメディ映画に腹の底から笑わせられる瞬間。涙が出る。

ヴェロニカ・レイクの佇まい!!
笑いは面白いかどうかの二択しかないからそこで勝負してる人の潔さには何も敵わない。
やっぱり映画で見る笑いはスタイリッシュな台詞もいいけど、結局王道のドタバタであっちこっち身体でリアクションを取るパフォーマンスに痺れるな〜〜。
No.148[人は経験したことしか語れない、ハリウッドの自己肯定] 84点

どうも最近はいい映画に巡り合う季節のようだ。プレストン・スタージェスは脚本家出身でスクリューボール・コメディの名手だから、スクリプト重視派の私にとってはかなり相性がいいと見ている。本作品が初スタージェスだが、中々骨太な皮肉と甘々な自己肯定が効いていた。

主人公ジョン・サリヴァンはコメディ映画の監督だが、”社会派の映画撮りたい!”と言って浮浪者の格好をし、街に繰り出そうとする。周りはやんわり止めるが全く聞かない。一度は家出感覚で田舎町をフラつくが、結局巡り合わせで戻ってきてしまう。その朝、ダイナーに入ると同居人に追い出された女優死志望の女(最強のファムファタールであるヴェロニカ・レイク)からハムエッグを奢られ、そのお返しにと自宅から車を取ってくる。そして一瞬で逮捕される。自宅に戻ったサリヴァンは旅を続けると言い張り、レイクも付いて行くと言って聞かない。結局彼女と共に旅をするが、耐えられず元の生活に戻ることになる。旅の終わりに、と5ドルをバラ撒いていたところ、別の浮浪者に襲われて貨物列車に乗せられ、紆余曲折を経て暴行罪で逮捕される。その間、サリヴァンの身分証を持っていた先の浮浪者が死亡し、サリヴァンが死んだと報じられる。重労働6年を課せられたサリヴァンは反抗的な態度を取るものの、唯一の楽しみだった映画上映でコメディを見ることで、自分の間違いに気付かされるのだった。

サリヴァンは最後まで金持ちの観光気分が抜けきれていない、という演出が上手い。”ベガス?あ、俺のキャンピングカーあるじゃん!”とか”切符買っといて”とか言わせるなど皮肉が効いていて笑える。特に、執事に切符を買わせるシーンの”無賃乗車に最適の場所はどこですか?”という質問は映画史に残る爆笑シーンの一つだろう。ただ、案外スラップスティックな演出が多かったのは意外だった。脚本畑出身とナメてたせいだね、ごめん。

サリヴァンは自身の経験を踏まえて、ポップコーン映画を作り続けることを心に決めるが、これは明らかにハリウッドの自己肯定だ。現代でもそうだが、映画が好きになればなるほどハリウッドのご都合主義的な映画にはなんだかなぁという感情にさせられることが増えてくる。そこでスタージェスは本作品を通して”ハリウッド映画は遊園地のようなもの、楽しんだもん勝ちだ~”みたいなメッセージを伝えたかったのだろう。おそらく、この頃”未だにスクリューボール・コメディ撮ってんのかよ”と言われていたお返しなんだよ、きっと。

最後に、ヴェロニカ・レイクについて触れたい。彼女はアラン・ラッド主演のノワール映画にファムファタールとしてよく登場していたが、コメディエンヌとしての才能を発掘したのはスタージェスらしい。クール系だが可愛らしく見えてくるあたり、スタージェスの手腕といったところだろう。ちなみに、この頃レイク風の髪型が超流行ったらしく、その影響が「L.A.コンフィデンシャル」に見て取れる。

コーエン兄弟はサリヴァンが撮ろうとしていた”O Brother,Where Art Thou?=兄よ何処に”を「オー・ブラザー!」として映画化している。未見のためコメント出来ないが、サリヴァンの目指した社会派映画になってるのかね?
tych

tychの感想・評価

4.0
ホームレスに扮したリッチな映画監督と美人女優が出会って旅する上質なコメディ。1941年の作品だが、今でも十分鑑賞に耐える。
笑う事が人生の支えとなる全ての方々へ捧げたプレストンの思いは80年近い歳月が経過した今でさえ、産地アメリカから遠く離れた日本にもしっかり届いております プレストン・スタージェス「サリヴァンの旅」

まずはこの作品をご覧になってない方々に申したい。
必ず相応の覚悟を持って臨んで下さい。
恐らく20~30年程度の鑑賞歴の中でご覧になった(喜劇群)はあっさり本作の焼き直しに過ぎなかったと悟る筈ですから。
何を言ってんだ?チャップリンやキートン、ロイドもたくさん観たぞ、特になあ、ことビリー・ワイルダーに関してならそこらの奴らなんかに負けやしない、と仰るそこの貴方、呑気な事を言うのはもうやめましょう。
ウソだと思うならこの90分の時間を過ごして下さい。
オイ、どこのビデオ屋にもそんなタイトルの映画なんて置いてないぞ、と言われそうなので先に申し上げますがこのようなとんでもない喜劇をさりげなく店に並べてくれるビデオ屋なんて存在するわけありません。
ですから購入していただくか、TSUTAYAディスカスの無料期間でもご利用になりすぐさまご自宅に届けてもらって下さい。
鑑賞後、コイツは何とまあ、無謀な抵抗をしていたことか・・・と贅沢な後悔に悦びを味わえると保証つきで申し上げます。
既にご覧になった方はこの映画に登場する二つの名前が今ここで出されるのでは?とヒヤヒヤしてるかもしれませんがご安心下さい。
ネタばれなど平気でする不謹慎な私でもそれくらいの分別はございます。
初めてご覧になる方々はそこのところも含意して孤独にお楽しみくださいませ。
(無敵の映画)とはこういう作品を指すのです。
加賀田

加賀田の感想・評価

3.5
逮捕される速さ 場面が変わっても会話が続くところは笑える可能性は秘めていた
CHEBUNBUN

CHEBUNBUNの感想・評価

4.0
【苦労は買ってでもしろ!】
『101 CULT MOVIES』に掲載されているロードムービー。あのジャック・ケルアックが『オン・ザ・ロード』で旅の気持ちの比喩として本作を引用していたりする。気になっていた作品だけに年末にDVDを購入。ようやく鑑賞した。

本作は1941年第二次世界大戦中の作品。抱腹絶倒のコメディ映画なのだが、深く鋭い皮肉に満ちた傑作だった。

コメディ映画、ミュージカル映画で成功している映画監督サリヴァンは、悩んでいた。映画会社のトップは自分にコメディ映画をじゃんじゃん作らせようとする。でも自分は不況の原因を突き詰める社会派ドラマを撮りたい。遂に会社トップと喧嘩し、ホームレスの格好して町を彷徨うようになる。

最初は、激しいドタバタ劇が展開され、当時の通俗的な作品かと思う。しかし、それは巧みなギミックだった。社会派ドラマを撮りたい意識高い系男の空回り、それが笑えないぐらいどん底に落ちぶれていく。

そして、強烈な事実に気づく。
「私はコメディ映画を撮りたい。この世には笑いだけを生き甲斐にして生きている人がいる。私は全く苦労していない。」

苦労は買ってでもしろと言われるが、サリヴァンが悟る偽りの苦労と本当の苦労溝に私はノックアウトされた。

そして、ジャック・ケルアックが『オン・ザ・ロード』で本作を引用したのが凄く重要なことにも気付いた。インテリゲンチャなジャック・ケルアック達が、ブルジョワのしがらみから解き放たれたいと思い旅へ出るのとサリヴァンの動機のシンクロ率100%だったのだ。

これは大学1年生に是非とも観てほしい傑作だ。旅とは何か?貧困に関する新鮮な理論を突きつける今観ても面白い作品でした。
ゆめこ

ゆめこの感想・評価

4.2
すごい良かった!
映画みて大爆笑してるシーンと最後のセリフが好き
堊

堊の感想・評価

4.2
トムとジェリーみたいなむちゃくちゃな映画。むちゃくちゃに面白い。
まさ

まさの感想・評価

4.0
映画監督であり金持ちのサリヴァンは、次作に社会派の映画を制作するという。だが、今まで裕福に育ったてきたサリヴァンは貧しい人達の環境等を理解しないと、次作を作れないことがわかった。そこで、サリヴァンはボロの服を着てお金を持たずに、貧しい人達を理解すべく、貧困の旅にでる。

コメディ映画の名作であり、大胆なアクションや演出でとことん笑わせてくれる。現代のコメディの基礎となるような演出がぎっしり詰まっている。それでいて、ヒロインのヴェロニカ・レイクが非常に美しかったりと観客の心を鷲掴みにしてくる最高の映画だ。

なお、ただのコメディではなくて、スタージェス監督は当時のアメリカの社会問題を取り入れることを忘れていない。映画を観て腹の底から笑う人達が印象的だった。
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