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閉ざされた谷の映画情報・感想・評価・動画配信
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動画配信は2026年1月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次
閉ざされた谷が配信されているサービス一覧
閉ざされた谷が配信されていないサービス一覧
閉ざされた谷の評価・感想・レビュー
閉ざされた谷が配信されているサービス一覧
『閉ざされた谷』が配信されているサービスは見つかりませんでした。
閉ざされた谷が配信されていないサービス一覧
『閉ざされた谷』に投稿された感想・評価
ルサチマの感想・評価
2021/08/31 23:30
5.0
視覚と聴覚が閉ざされては解放される。見る者の肉体を打ち砕く強烈な映画体験が紛れもなくここにある。
画と音はそれぞれに独立し、カメラはただ光(奥行きを照らす立体)と闇(奥行きを消し去る平面)の構成のみを切り取る。ユスターシュ『ナンバー・ゼロ』以来これほどフィルムで撮ることに意識を向けた映画を他に知らない。
「地球を表象すること」と題された章をルソーが掲げたのは紛れもなく、撮られたものだけが現実を表象するという20世紀の「記録無くして事実なし」の精神史を体現することの宣言に他ならない。
映画が大衆の行為と存在を複製させるメディアであるとするならば、ルソーはカメラという複製装置を用いながら、ガレキのような岩や上流より流れてくる川、そして地べたに咲く花へと徹底した物質そのものへの眼差しを向けては一つ一つの物質を画として、音としてフィルムを繋ぎ合わせることで、映画館の暗闇にもう一つの世界=地球を誕生させる。
それは決して単に複製され消費される表象ではなく、個々人にブルジョワやプロレタリアート、貨幣と労働、そして愛の物語をユートピアとして体験させてくれるような、この現実の世界に並立する世界である。
夜の世界に導かれつつある人々が暗闇の平面に取り込まれることなく立体としての岩場に立ち、暗闇との境界を認識しているように、この映画を見た人間は暗闇から光のさす現実へと共闘するなにかを獲得しているだろう。
暗闇は昼の世界に出現する資本を隠蔽し、昼への再生の場として存在しているかのように見える。そして暗闇を灯すのは人々が自らの手で火をつけた花火の明るさでもあるし、天の恵みのような雷でもある。
だが、この映画の結末に示される昼間の海沿いにひっそりと放置されたように立つ公衆電話ボックスは、資本の再生産のための暗闇化を人間の手で施すでも、自然の啓示を待つでもなく、人々がどこかの誰かへとなにかを語る/聞くことで、よりよく生き残る可能性を喚起させる。
ユートピアの世界が現実の世界に覆い被さることができるまで、ルソーはたった1人でもフレームの中で世界にタイトな眼差しを向けながら妥協なき映画を撮り続けるだろう。
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たはら戦士の感想・評価
2025/04/01 05:43
5.0
断片的に語られる土地の記憶。
そしてルソーによる終わりなき存在論的探究。
私の考えでは、現代実験映画史において最も誠実に、そして真の意味で映画的に世界と向き合っているのは、このジャン=クロード・ルソーただ一人である。
本作も、従来の映画文法からの脱構築を提示しながら、観客に「映画とはなにか」という存在論の再考を促す点において極めてラディカルだ。
それは、謂わばルソーによる「映画」と「存在」の再定義に他ならない。
本作は私にとって、ジャン=クロード・ルソーという奇跡の映画作家との出逢いの場であり、同時に、私自身の映画に対する定義そのものを破壊してくれた、限りなく貴重な映画体験の一つだ。
ルソーは映画撮影に使用するキャメラを、1998年に8mm(Super 8)から16mmへ切り替えているのだが、1995年公開(制作開始からは10年以上経過)である本作は、ルソーが8mmを用いて撮影した最後の映画記録ということになる。
本作の概要を簡潔にまとめると、ルソー自身がフランス南東部に属するFontaine de Vaucluseという村とその周辺に出向き、自然風景などを10年以上にわたり断片的に撮影したという記録映画だ(ちなみにFontaine de Vaucluseの"Vaucluse"とはラテン語で"Vallis Clausa"となり、つまりは題名と同じく『閉ざされた谷』を意味する)。
本作における静止画的な映像演出、風景描写のイメージ、テイクの連続、太陽光と影の対比、8mm独特のフィルム感などは、Ray Garnerのドキュメンタリー映画を彷彿とさせ、さらにはメカスの「日記映画」的な要素も垣間見える。
作中のショットではほぼfixを採用した撮影が行われており、ゲリンの諸作さながら映像の動きが極端に少ない。
作中の映像では主に自然美が中心に捉えられているなかで、その合間には廃墟の荒廃した様子が一定間隔で挿入されるという見事な対比構造があるのだが、それこそ本作の倫理的緊張を支えている核心部分であり、そして同時に主題を言葉以前のレベルで成立させている構造なのだ。
とりわけ本作では「映像」と「音」の関係性にも注目したい。
本作における映像と音には現実での繋がりがなく、異なる空間に存在し、それぞれが独立的な主張をしている。
簡潔に言えば、「意図的な映像と音の乖離」という面白いことをやっているのだ。
独立した映像と音の関係は非同期的だが、その演出された不規則性には心地よい乱れを覚えた。
“この映画の音は、イメージと似ていないにもかかわらず、非常にハッキリとイメージに定着していて、完璧に同期している。だがそれは、「同期」(synchronisme)という言葉の通常の意味においてではない。つまり、音がイメージと同時に録音され、言葉が唇の動きにぴったり合っている、ということではない。そういう意味ではないが、『閉ざされた谷』は完璧に同期しているのだ。”
“音の物質性は、音がイメージにふれるとき、イメージとの出会いによっていわば強化されるのだ。言葉について言うなら、イメージにふれて物質的な影響をそれに及ぼすことができるのは、言葉が語る内容ではなく、その息づかいであり、リズムであり、呼吸だ。物質のない芸術は存在しないということだ。この物質性から遠ざかるものはすべて、イメージを弱め、映画を妨げさえする危険がある。言葉が知的になりすぎると、人は見失ってしまう。言葉が聞こえるのは、それが歌われたときだけなのだ。”
『ジャン=クロード・ルソーとの対話』
インタビューより
私がルソーに魅了された大きな理由の一つとして、彼は自身の内在的な哲学的精神性を映画に投影する行為が非常に巧みであるからだ。
本作の題名でもある『閉ざされた谷』とは実際に存在する谷のことで、作中においても幾度か登場するが、ルソーはそのモチーフを単なる谷として撮影するのではなく、崖から谷を見下ろす人々の姿と谷の深淵性を接続し、あたかも底なしの暗黒に支配された谷が人々を未知なる領域へ誘っているように見せる。
“閉ざされた谷とは、わたしにとって、距離が失われ、奥行き(perspective)も持たないが、底知れぬほど深い、そんな場所のことだった。ジョルジョーネの『嵐』の登場人物たちがソルグ河の岸辺に収まっていてもおかしくない、そんな一枚の絵。その場所にいることは、わたし自身がフレーム=額縁のなかに入っていくことだった。”
『ジャン=クロード・ルソーとの対話』
インタビューより
陽光に照らされる枯れ草、朽ち果てた廃墟、自然界の力強さを象徴としたような激流、厳格なまでに聳え立つ岩壁、深い霧に包まれた森、荘厳たる自然風景とは対照的に映させる素朴な町角。
本作は、画面に現れるすべてのイメージに、普遍的な時の流れという退廃の美、謂わば変遷の美学と、ルソーによる「映画」についての問いかけが随所に染みついた、ある種の映画の「終着点」を感じさせる、極めて稀有な映画体験なのだ。
ちなみに、本作の監督であるジャン=クロード・ルソーは、フランス映画界の重鎮ジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレ、いわゆるストローブ=ユイレから“ヨーロッパで最も偉大な映画作家の一人”と称賛されている。
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InSituの感想・評価
2017/02/03 20:58
4.6
謎映画。ストローブ=ユイレが推しているそうです。希有なことに、フランス版DVDには日本語字幕が添付されている。Graham Lambkinとか好きな方は是非どうぞ。そっち系です。
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