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閉ざされた谷の映画情報・感想・評価・動画配信
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動画配信は2025年11月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
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目次
閉ざされた谷が配信されているサービス一覧
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閉ざされた谷の評価・感想・レビュー
閉ざされた谷と似ている作品
閉ざされた谷が配信されているサービス一覧
『閉ざされた谷』が配信されているサービスは見つかりませんでした。
代わりに似ている作品として1件の配信作品が見つかりました。
『閉ざされた谷』に似ている配信作品
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3.8
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『閉ざされた谷』に投稿された感想・評価
ルサチマの感想・評価
2021/08/31 23:30
5.0
視覚と聴覚が閉ざされては解放される。見る者の肉体を打ち砕く強烈な映画体験が紛れもなくここにある。
画と音はそれぞれに独立し、カメラはただ光(奥行きを照らす立体)と闇(奥行きを消し去る平面)の構成のみを切り取る。ユスターシュ『ナンバー・ゼロ』以来これほどフィルムで撮ることに意識を向けた映画を他に知らない。
「地球を表象すること」と題された章をルソーが掲げたのは紛れもなく、撮られたものだけが現実を表象するという20世紀の「記録無くして事実なし」の精神史を体現することの宣言に他ならない。
映画が大衆の行為と存在を複製させるメディアであるとするならば、ルソーはカメラという複製装置を用いながら、ガレキのような岩や上流より流れてくる川、そして地べたに咲く花へと徹底した物質そのものへの眼差しを向けては一つ一つの物質を画として、音としてフィルムを繋ぎ合わせることで、映画館の暗闇にもう一つの世界=地球を誕生させる。
それは決して単に複製され消費される表象ではなく、個々人にブルジョワやプロレタリアート、貨幣と労働、そして愛の物語をユートピアとして体験させてくれるような、この現実の世界に並立する世界である。
夜の世界に導かれつつある人々が暗闇の平面に取り込まれることなく立体としての岩場に立ち、暗闇との境界を認識しているように、この映画を見た人間は暗闇から光のさす現実へと共闘するなにかを獲得しているだろう。
暗闇は昼の世界に出現する資本を隠蔽し、昼への再生の場として存在しているかのように見える。そして暗闇を灯すのは人々が自らの手で火をつけた花火の明るさでもあるし、天の恵みのような雷でもある。
だが、この映画の結末に示される昼間の海沿いにひっそりと放置されたように立つ公衆電話ボックスは、資本の再生産のための暗闇化を人間の手で施すでも、自然の啓示を待つでもなく、人々がどこかの誰かへとなにかを語る/聞くことで、よりよく生き残る可能性を喚起させる。
ユートピアの世界が現実の世界に覆い被さることができるまで、ルソーはたった1人でもフレームの中で世界にタイトな眼差しを向けながら妥協なき映画を撮り続けるだろう。
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0
たはら戦士の感想・評価
2025/04/01 05:43
5.0
自然との相対。断片的に語られる土地の記憶。
ルソーによる映画世界への問い直し、あるいは終わりなき存在論的探究。
何気に記録を付け忘れていたルソー。
従来の映画文法の脱構築として、観客に「映画とはなにか」という存在論の再考を促す本作。
いわば、ルソーによる「映画」と「存在」の再定義である。
私にとっては貴重な映画体験の一つだ。
ルソーは映画撮影に使用するキャメラを、1998年に8mm(Super 8)から16mmへ切り替えているのだが、1995年公開(制作開始からは10年以上経過)である本作は、ルソーが8mmを用いて撮影した最後の映画記録ということになる。
作品の簡単なあらすじとしては、ルソー自身がフランス南東部に属するFontaine de Vaucluseという村とその周辺に出向き、自然風景などを10年以上にわたり断片的に撮影したという記録映画だ(ちなみにFontaine de Vaucluseの"Vaucluse"とはラテン語で"Vallis Clausa"となり、つまりは題名と同じく『閉ざされた谷』を意味する)。
本作における静止画的な映像演出、風景描写のイメージ、テイクの連続、太陽光と影の対比、8mm独特のフィルム感などは、Ray Garnerのドキュメンタリー映画を彷彿とさせ、同時に、メカスの日記映画的な要素も垣間見える。
作中にて大半のショットではfixを採用した撮影が行われており、ゲリンの諸作さながら映像の動きが極端に少ない。
そのミニマルに映された空間と自然から、本作が制作されるに至った本質的な意味合いを認識することができる。私はそのエコロジカルなまなざしから「自然原理への回帰」すら感じた。
作中の映像では主に自然美を中心として捉えているが、その合間には廃墟の荒廃した様子がある一定間隔で挿入されるという見事な対比構造が在ることで、より本作の現実性が顕著に立ち現れている。
そして本作では「映像」と「音」の関係性にも注目したい。
本作における映像と音には実際の関係がなく、異なる空間に存在し、それぞれが独立的な主張をしている。
簡潔に言えば、「意図的な映像と音の乖離」という面白いことをやっているのだ。
独立した映像と音の関係は非同期的だが、演出された不規則性には「心地よい乱れ」を覚えた。
“この映画の音は、イメージと似ていないにもかかわらず、非常にハッキリとイメージに定着していて、完璧に同期している。だがそれは、「同期」(synchronisme)という言葉の通常の意味においてではない。つまり、音がイメージと同時に録音され、言葉が唇の動きにぴったり合っている、ということではない。そういう意味ではないが、『閉ざされた谷』は完璧に同期しているのだ。”
“音の物質性は、音がイメージにふれるとき、イメージとの出会いによっていわば強化されるのだ。言葉について言うなら、イメージにふれて物質的な影響をそれに及ぼすことができるのは、言葉が語る内容ではなく、その息づかいであり、リズムであり、呼吸だ。物質のない芸術は存在しないということだ。この物質性から遠ざかるものはすべて、イメージを弱め、映画を妨げさえする危険がある。言葉が知的になりすぎると、人は見失ってしまう。言葉が聞こえるのは、それが歌われたときだけなのだ。”
『ジャン=クロード・ルソーとの対話』
インタビューより
私がルソーに魅了された大きな理由の一つは、彼が持つ内在的な哲学的精神が故にである。
題名でもある『閉ざされた谷』とは実際に存在する谷のことで、作中でも数回登場するのだが、ルソーの感性が映すその谷には底が見えず、無限的に続く暗闇が我々を深淵へと誘っているようにすら見えた。
崖から谷を見下ろす人々の姿も、あまりに小さな存在として映されていた。
“閉ざされた谷とは、わたしにとって、距離が失われ、奥行き(perspective)も持たないが、底知れぬほど深い、そんな場所のことだった。ジョルジョーネの『嵐』の登場人物たちがソルグ河の岸辺に収まっていてもおかしくない、そんな一枚の絵。その場所にいることは、わたし自身がフレーム=額縁のなかに入っていくことだった。”
『ジャン=クロード・ルソーとの対話』
インタビューより
陽光に照らされる枯れ草、朽ち果てた廃墟、自然界の力強さを象徴としたような激流、厳格なまでに聳え立つ岩壁、深い霧に包まれた森、圧巻の自然風景とは対照的に素朴に映させる町角。
本作は、画面に現れる全てのイメージに、普遍的な時の流れの干渉による無常の美しさ、いわば変遷の美学と、ルソーによる「映画」についての真相の探究が垣間見えた、そんな作品である。
ちなみに、本作の監督であるジャン=クロード・ルソーは、フランスの名匠ジャン=マリー・ストローブとダニエル・ユイレ、いわゆるストローブ=ユイレから「ヨーロッパで最も偉大な映画作家の一人」と称賛されている。
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InSituの感想・評価
2017/02/03 20:58
4.6
謎映画。ストローブ=ユイレが推しているそうです。希有なことに、フランス版DVDには日本語字幕が添付されている。Graham Lambkinとか好きな方は是非どうぞ。そっち系です。
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『閉ざされた谷』に似ている作品
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アワーミュージック
製作国・地域:
フランス
/
上映時間:
80分
ジャンル:
ドラマ
3.8
監督
ジャン=リュック・ゴダール
脚本
ジャン=リュック・ゴダール
出演者
ナード・デュー
サラ・アドラー
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