ひとつの文学作品を読んだような心持ち
それが、見終わってすぐの素直な感想です
原題の”YOUTH”に大納得
邦題のイメージからもっと音楽的な映画と思い込んでたけど
かなりかなり大人向けな作品
メモっておけば、と劇中何度か思うくらい
含蓄の深い台詞がちりばめられてます
親子、夫婦、芸術を担うこと、個々の人生観、大先輩の言葉が勉強になります
このあたりも、文字として読んでみたかったし
翻訳家さん大変だったのかなとも
さして深く掘り下げられることのない、クセのある人物が結構登場するけど
主役マイケルケインのどっしりとした存在感で
彼を取り巻く人々として、散らからず
名優の流石の威力
個人的に、
マイケルケインがレイチェルワイズの前で秘密を話すところが
前後を含めぐっと胸に迫り、このシーンの描き方が好きです
総じて振り返ると
哲学的なテーマと、人によっては曖昧ともとれる抽象的な表現を
監督と出演者の熟練した技量、視覚的にも統一された美しい世界観でぶれずにまとめあげ
何よりも圧巻のラストでフィナーレを迎えた
芸術的作品だと感じました
