いち麦

サウルの息子のいち麦のレビュー・感想・評価

サウルの息子(2015年製作の映画)
2.0
地獄のような状況下では人は自分が生きる為ならば何でもするエゴイスティックな存在。その贖いを全うしようとするが如く子供の弔いに奔走するサウルの姿もやはりある意味エゴイスティックである。スタンダードの狭い画角の中、主人公の無表情と背中だけを追い、僅かに残った背景をもボカすという、狭量的な心情のこの表現方法は意図的に構築されたものだろうが自分には効果的には見えなかった。ラビの不在やラストの暗喩的心情表現等々、もどかしい映像力。一貫性のない字幕の入り方にも苛つかされた。
いち麦

いち麦